「Marunouchi Street Park」は「道路空間」を快適な「都市公園空間」へと変える、未来のエリアマネジメントの実証実験として、2019年から東京・丸の内仲通りで実施されています。「Popping Summer Street -訪れる人が夏らしさを感じ、心躍るような丸の内仲通り-」をコンセプトとし、ラグビー/SDGsなど時代やトレンドにあった取り組みとのコラボレーションや、風力発電や太陽光発電の機能を備えたテーブルの設置、地域で働く方や来街者を巻き込んだ音楽演奏の場づくりなどを検証事項として実施しました。
本館は前橋の「危機と民力」をテーマとした歴史エンターテインメント施設です。江戸時代に「関東の華」と称され、城下町として栄えた前橋は、明治時代以降も群馬県の県庁所在地「県都」として発展してきました。一方その間に起こった、利根川の浸食による前橋城の崩落や、明治維新による廃藩置県、主力産業であった製糸業の世界恐慌による操業停止、第2次世界大戦中の空襲によって市街地の8割が焼失するといった「四つの危機」を先人たちは「民力」によって乗り越え、再興を果たしました。本館は「関東の華」「県都」として発展した前橋を「華都」と呼び、市民が郷土の歴史をたどり、前橋の未来について考えるきっかけとなることを願い開設されました。
「アミュプラザ長崎 新館」は西九州新幹線開業にともない計画された新しい大型商業施設で、2023年11月に開業しました。国際観光都市長崎の陸の玄関口として新たなにぎわいと交流をつくりだしています。当社は企画開発段階における建築計画の監修から参画し、「長崎街道かもめ市場」につづいて商業ゾーンの環境デザイン・設計・施工(一部)を担当しました。
コンセプトは「共生」。東日本大震災の津波で被災した仙台市の荒浜地区に交流拠点を整備する事業です。世代や障がいの有無に関わらず集える「共生社会」をコンセプトに、アクティビティやイベントを楽しみ、防災・減災も学べる「ひろば」としました。敷地面積は1.3ヘクタール。敷地内にはカフェやコワーキングスペースなどが入る施設のほか、農園、障がい児なども遊べるインクルーシブな施設の3つのエリアで構成されています。クラブハウスでは大手通信会社と地元大学が共同開発したVR機器を活用し、「震災前後の荒浜地区」や「災害時の対応方法」について学ぶことのできる、子どもたちの防災学習の場となっています。事業は仙台市による防災集団移転跡地利活用事業の一環であり、資金面では国土交通省の補助金を活用しています。当社は取得申請や完了報告などのサポートを行いました。今回は第一期としてクラブハウスエリアを完成させました。地域に根付き共に成長する施設づくりを目指し、公園や屋内施設は、未来予想図に基づいて地域の方々と段階的に整備する計画となっています。
北海道小清水町に誕生した「日常時・災害時の居場所づくりで、町のにぎわいと持続可能なまちづくり」を目指す、公民連携で取り組んだコミュニティ再生・防災拠点です。役場機能のほか、カフェやランドリー、フィットネスジム、コミュニティスペースなどを併設し、役場を従来の「用事がないと行かない場所」ではなく、新たに「自然と訪れる場所」に変化させることで、町が抱える過疎・高齢化の課題に向き合い、役場と町民が一緒になって町を盛り上げていくための中心施設となることを目指しています。
千葉県の「観光コンテンツ高付加価値化促進事業」を活用した千葉県安房郡鋸南町の元名海岸の整備と実証実験イベントです。夏のハイシーズン以降の新たな海辺の活用を「海辺の時間」と名付け、2022年9月~11月にかけて事業を企画・実施しました。11月12日~13日に開催したスペシャルイベントでは、内房地域初にして最大規模の参加型スカイランタン&キャンドルナイト、流木など地域廃材を用いたアップサイクルアートの設置、内房の魅力を味わうグルメキッチンカーなど新たな海辺の体験を提供し、多くの方に来場いただきました。当社は、千葉県への申請に向けた事務局業務、計画立案、イベントの実証実験の推進(計画・デザイン・設営・運営・プロモーション)、効果検証、報告に至るまでの一連の取り組みを推進しました。
嬬恋村の過去と現在をより深く知ることができるアプリケーションを制作しました。嬬恋村の特産品が販売されている農産物等直売所「あさまのいぶき」、天明3年(1783)の大噴火時の人骨が発掘された「鎌原観音堂」、そして噴火当時の資料を展示している「嬬恋郷土資料館」の3か所で、それぞれの場所に応じた体験ができます。―嬬恋村の過去を知る―現在の浅間山にタブレットをかざし、ARコンテンツを再生することで、天明3年(1783)に発生した浅間山の大噴火や噴火活動による浅間山の稜線の変化を体感でき、さらに詳細な内容を絵図を用いた解説で知ることができます。―嬬恋村の現在を知る―現在発掘されている噴火の痕跡や、嬬恋村の四季、特産品の解説も見ることができます。春のシャクナゲ園の様子や夏の満天の星空は360度画像を用いることで、まるで利用者が現地にいるかのように楽しんでもらうことができます。
2023年3月、北海道日本ハムファイターズの新球場を含めたエリア、「北海道ボールパークFビレッジ」が誕生しました。約32ヘクタールという広大な敷地面積の中で、自然と共存する次世代ライブエンターテイメントや心身を育むウェルネスソリューション、文化交流が活発な街づくりを目指す、まったく新しいクリエイティブなコミュニティスペースです。乃村工藝社は「誰も経験したことのない新しい観戦体験の創出」をテーマに総力を結集して、複数エリアの企画、デザイン・設計、制作、展示施工を担当しました。メインとなるスタジアムの「ES CON FIELD HOKKAIDO」では、プレミアムエリア内にある『BALCONY SUITE』や砂被り席とダイニングが組み合わされた両翼の『docomo CLUB LOUNGE』『Panasonic CLUB LOUNGE』、客室からフィールドが一望できる個性豊かな『tower eleven hotel』、世界初の温泉を汲み上げた『tower eleven onsen & sauna』をはじめとした空間づくりを行いました。 新球場のレフト後方に位置するランドマーク「TOWER 11」には前述の通り、世界初の球場内温泉・サウナ、日本初のフィールドが一望できる球場内ホテル、ミュージアムなどの施設が揃い、通年で楽しめる革新的な球場となっています。例として世界初の“フィールドを一望できる球場内天然温泉とサウナ”には、半屋外の水着着用ゾーンに24席の“ととのえテラスシート”があり、サウナ室や浴槽からも試合を見ることができます。プロサウナー「TTNE・ととのえ親方」こと松尾大さんと一緒に、これまでにない新しい観戦スタイルを創り上げました。「北海道ボールパークFビレッジ」全体としては、屋外エリア全体の企画のほか、ウェルカムモニュメントの制作も行っています。球団が目指す、ファン、パートナー、地域の皆様と一緒になって、地域社会の活性化や社会への貢献につながる“共同創造空間”に今後も寄与してまいります。
松本城公園内に1948年に開館した博物館の老朽化に伴う移転新築工事です。当社は展示空間の基本構想の策定からデザイン・設計、施工までを担当しました。1階は市民・観光客に開かれたオープンスペースとなっており、松本市のまちづくりに積極的にアプローチする博物館として建設されました。
東京・丸の内仲通りで、「道路空間」を快適な「都市公園空間」へと変える、未来のエリアマネジメントの実証実験として取り組まれている「Marunouchi Street Park」のプロジェクトです。2022年夏の開催は、常設化に向けた都心の公園のあり方の検証を含めており、安全な運営を推進するための人員配置や防犯カメラなどの利用も積極的に検討し、今後の広場・公園的空間を見据えた安全管理のあり方を検証しました。「みんなのMarunouchi Street Park」をコンセプトとし、多様な人びとが五感で自然を感じ、人や街、文化とつながり、ついのんびりと過ごしたくなる都市公園空間を実現しました。また、ここを訪れた人びとのコミュニケーションのきっかけとなるようインクルーシブテーブル、ライブラリー、軽運動ができるリフレッシュ空間、ストリートピアノなどの配置を行い大勢の方々にお楽しみいただきました。(開催期間:2022/8/2~9/11)
「Marunouchi Street Park(以下MSP)」は、東京・丸の内仲通りの今後のあり方や活用方法を検証する社会実験プロジェクトです。2019年のスタートから7回目の開催となった「MSP 2022 Winter」は、これまでの丸の内仲通りから、展開エリアを東京駅前の行幸通りにまで拡大し、過去最大となる規模での実施となりました。当社は総合企画パートナー・運営担当として参画いたしました。今回のテーマは、「MSP Twinkle Street」です。丸ビル前のブロック1は「Twinkle Party」をテーマに、大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリアの店舗などと連携したクリスマスマーケットをデザイン・設計し、メリーゴーランドベンチ、光の輪投げ、樹木を囲むホットベンチなど、心温まる仕掛けが詰まった冬のハレの場を創出しました。丸の内二丁目ビル前のブロック2は「Twinkle Terrace」をテーマに、毎回人気のストリートピアノ演奏空間や、イルミネーションを背景に写真が撮れるスポット、ロングホットベンチなどを設置し、来街者が冬のイルミネーションを楽しみながら寛げる空間を設えました。そしてMSPとして初めての展開となる東京駅前の行幸通りでは、環境配慮型の樹脂製スケートリンクを使用した「Marunouchi Street Rink」を設置することで、老若男女を問わず多くの来街者が屋外で楽しむスケートの魅力を体験でき、好評を博しました。(開催期間:2022/11/29~12/25)
東日本大震災にて被災された臼福本店様の新事務所建替えのプロジェクトです。臼福本店様は、明治15年に創業した、130年以上の歴史を持つ漁業会社です。「海と共に生きる」を理念に掲げ、遠洋マグロ漁業、マグロ延縄漁を事業とし、気仙沼そして東北の復興を担っています。外装のデザインは、津波で流失してしまった旧本宅の外壁で使用されていた銅板を復刻し、新たな銅板のうろこ壁としました。年月を経ることで、旧本宅のような銅板の風合い、色味に変化していきます。また、マグロ漁船の要素を抽出し、アール窓や手摺を建築に取り入れています。当社が担当させていただいたデザイン範囲としては、外装のデザイン、1階エントランス、2階事務所、3階の社長室、応接室となります。
本プロジェクトは、全国で宿泊事業や地方創生を手がける株式会社ARTHグループ(土佐清水リゾート合同会社)が、高知県足摺岬で長年親しまれてきた老舗旅館「足摺パシフィックホテル花椿」をアジア屈指の滞在型リゾート施設「TheMana Village(ザマナ ヴィレッジ)」として再生し、土佐清水市全体の活性化を目指すものです。 当施設は、足摺宇和海国立公園という自然豊かな地域に位置します。絶景を臨むものの、ホテルは昭和から時間が止まったかのような古い内装がそのまま残っている状態でした。当初、小さなカフェエリアを設置するという計画から始まりましたが、打ち合わせを重ねていくなかで、ホテルだけでなく高知全体や土佐清水市を盛り上げたいというARTH様のビジョンが広がりました。足摺の自然を体感できるラグジュアリーな空間の、イタリアンレストランを含む複合施設へと生まれ変わりました。 当社は、施設の魅力向上に向けた企画デザインの構想段階から参画し、ホテルの顔となるファサード・ロビー共用部・客室・レストランの空間プロデュースを担当しました。(客室・イタリアンレストランはデザイン監修) 2021年に担当した「LOQUAT 西伊豆」(古民家をオーベルジュに改装)をはじめ、当社はARTH様のクリエイティブ・パートナーとして、魅力ある街づくりや活性化につながる空間プロデュースを手掛けています。
高知県の足摺岬の突端に位置するホテル「TheMana Village」の改装案件です。旧足摺パシフィックホテルを新生「TheMana Village」として生まれ変わらせるべく2020年から始動しています。 2022年のプロジェクトでは新たに5タイプの客室と施設内のイタリアンレストラン「Assurrissimo」の拡張工事を行いました。新たな客室の中にはツインタイプで96㎡と広く、専用のサウナや水風呂、露天風呂を完備し室内には暖炉を有する特別な客室もあります。 アジア屈指のリゾートホテルを目指し、特別な宿泊体験を提供するための改装プロジェクトは、そのホテルが生まれ変わっていく様をホテルスタッフの方々の丁寧な接客により宿泊のお客さまとも共有し応援していただきながら、次期の改装につなげている現在進行形のプロジェクトです。
宮崎県日南市飫肥は藩制から続く風光明媚な重要伝統的建造物群保存地区の城下町であり、旧武家屋敷改装のホテルができるなど、民活利用による活性化が進んでいます。本プロジェクトは当地で著名な小村寿太郎記念館および飫肥城歴史資料館を「展示50%+周遊50%」のリニューアルコンセプトのもと、来訪者の知的好奇心や滞在満足度を向上し飫肥の周遊につなげることを主眼としています。飫肥城歴史資料館リニューアルでは、これまでの資料解説中心の受動的展示から、体験性や物語性を重視した体感型手法とし、飫肥城や飫肥藩、藩主伊東家といった当地ならではの情報がより分かりやすく、かつ関連する周辺スポットにアクセスしやすい展示です。貴重な刀工・井上真改のコレクションも美しく見せる照明や展示を工夫しています。さらに「情報ライン」や掲示板で情報更新性を高める工夫も行っています。また、本プロジェクトでは制作コンセプト「みんなでつくるまちごとミュージアム」を掲げ、一年を通じて市民と一緒に展示づくりを行い、本施設も子供たちのワークショップの結果を展示情報に組み込んで、まちの周遊につなげています。
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