計画当初、秋草学園様よりお話いただいたのは、体育館耐震改修工事のご相談でした。 耐震工事と、体育館ファサードと内装の一新に伴い、校舎と体育館をつなぐ通路が「ジメジメした雰囲気で暗く、明るくて清潔感のある通路にしたい。学園としても次代に残せるような空間としたい」とのご要望があり、秋草学園のアイデンティティが表現された通路空間をデザインすることになりました。 本計画で、最も重要視したのは、“愛着を持ち続ける空間”とすることです。 そこで今回は、デザインの原点をワークショップにて学生と共に創りだし、愛着を生み、かつ継承されていくための“経過のデザイン”に取組みました。 生徒には、「秋草らしさ」が表現される写真を持参してもらい、“#〇〇”という形で言語化したものから込められた想いを抽出し、デザインとして昇華させ、通路にあしらうこととしました。 生徒が自分ごととしてデザインを咀嚼し、周囲に拡散することで、「秋草らしさ」が代々受け継がれ、愛着をもって空間と接し続けてもらえるよう推進しました。