福岡県北西部に位置する鞍手町(くらてまち)はかつて九州・筑豊炭田の一角を担うことで発展していきました。本施設は鞍手町の炭鉱の歴史を「体験」を通じて学ぶことができる博物館です。展示構成は、導入部の「年表」、暗闇を用いて演出した「坑道再現」、採炭現場の「ジオラマ再現」、そして当時の労働者や記録者による談話を撮影・編集した「語り部」と、大きく4つのゾーンに分かれています。260㎡という限られた展示面積を最大限生かしながら、各ゾーンに特徴を持たせることで、来館者にさまざまなアプローチで訴えかけ、興味を持ってもらえるよう設計しました。
本施設は特別天然記念物“アマミノクロウサギ”の保護研究施設です。施設名の「くるぐる」はシマグチ(奄美の方言)で「黒々とした」という意味で、アマミノクロウサギの毛色と、命がぐるぐると循環するイメージを表しています。ここでは来館者がウサギのスケールになって夜の森を冒険することができます。急に飛び出してくる車や巨大な天敵に驚き、自分より背の高い草花をかき分けてブラックライトに反応する森の生き物たちを探していきます。ウサギの視点になることでその気持ちや恐れに気付き、共感を育むきっかけとなるよう設計しています。さらには、保護されたウサギの治療室を来館者に完全公開することで、交通事故などで怪我を負っている現実を提示し、奄美大島の自然に抱かれながら、保護したウサギを野生復帰まで見守り、人とウサギの共生について考える施設となっています。
主要空港に、旅行用品や雑貨などの販売店を展開する「トコ―プラス」の福岡空港出店プロジェクトです。福岡空港国際線の出発フロアという立地に対し、旅先への準備のための各種トラベルグッズを取り揃え、安心と楽しさを届けながら、「UPLIFTING FEELING」というコンセプトのもと、高揚感の演出につながる空間デザインを実現しました。
T-LOGI福岡アイランドシティは、周囲を海とコンテナターミナルに囲まれた、福岡市で唯一の人工島に位置します。本施設は、東京建物様、東急不動産様、西日本新聞社様、丸紅様が共同で開発を行った、延床面積約4.5万坪の九州最大規模の物流倉庫施設となります。当社はデザインコンセプトの立案・基本構想から参加し、従業員休憩室とアプローチの設計・施工、施設共用部分の設計を担当しました。
玄海海中展望塔がある波戸岬の周辺海域は、1970年に日本初の海中公園として国定公園「玄海海中公園」(現・玄海海域公園)の一部に指定されています。本施設は、日本海側で唯一の海中展望塔として1974年にオープンしました。波戸岬の陸地から長さ86メートルの桟橋でつながれ、高さ20メートル直径10メートルの大きさがあり、水深7メートルに位置する展望室では、24個の海中窓越しに多種の魚が遊泳する様子や海草・貝類を自然の姿のまま見ることができます。また、海上デッキからは三方に玄界灘の島々を見渡せます。今回、開館50周年を迎えるに当たり、2024年4月1日に初のリニューアルオープンを行い、全国に7カ所ある海中展望塔としては初めてプロジェクションマッピングを導入することで、実際の魚を見ながら、まるで海の中にいるようなイマーシブ(没入感)な体験を楽しめる施設となりました。当社は、基本構想段階から参画し、デザイン、コンテンツ設計・制作から開業時のPR業務まで担当しました。
「アミュプラザ長崎 新館」は西九州新幹線開業にともない計画された新しい大型商業施設で、2023年11月に開業しました。国際観光都市長崎の陸の玄関口として新たなにぎわいと交流をつくりだしています。当社は企画開発段階における建築計画の監修から参画し、「長崎街道かもめ市場」につづいて商業ゾーンの環境デザイン・設計・施工(一部)を担当しました。
年10泊から購入できる別荘「NOT A HOTEL」初の都市型コンドミニアムです。当社はインテリアコンセプトデザインおよび基本計画を担当しました。全体監修は小山薫堂氏で、コンセプトは“人生の余白(=blank)”を楽しむとし、全室100平米以上でバルコニー付きのゆとりある全8タイプの部屋となっています。それぞれ統一感がありながらも異なるコンセプトとデザインで構成しました。
キッザニア福岡内に完成した本パビリオンでは、子どもたちが「空間デザイナー」として、空間づくりについて学んだあと、恐竜などの模型を使って恐竜博物館の空間をデザインします。タブレット上で3Dデータを立ち上げて、展示物の背景や床、照明など空間演出を考えながら、最後には自分がデザインした空間についてのプレゼンテーションを行い、実際に館内を歩いているような臨場感が得られるウォークスルー動画で完成した展示エリアを確認できます。KCJ GROUP株式会社様と当社は、本パビリオンでの体験を通して未来を担う子どもたちが、展示エリアを“想像”し“創造”する楽しさを知ることで、クリエイティブな仕事への興味を持つとともに、新しい発想やアイデアでさまざまな可能性を切り開いていく力を身に付けることを狙いとしています。
長崎県島原市中心市街地「万町(よろずまち)アーケード」にある元綿問屋旧堀部家住宅をワーケーション施設にコンバージョンするプロジェクトです。島原市は日本名水百選に指定されている「水の都」であり、市街地の至る所に流れる雲仙山系の豊富な湧き水は市民生活に欠かせないものとなっています。1848年に建てられた旧堀部家住宅はこの湧水を敷地に引き込んでおり、庭園や屋内に静かな水音が聞こえる独特の風情を持った建築です。設計方針としては、地元市民も慣れ親しんだ建物の特徴と、中心市街地という立地を生かし、島原市民、ビジネスマン、観光客、全ての人たちにとっての”まちのフロント”となり、中心市街地の活性化や多世代市民交流の推進に寄与する施設を目指しました。
福岡PayPayドームの貴賓室であるスーパーボックス2部屋の改修プロジェクトです。福岡ソフトバンクホークス(以下ホークス)のコアなファンをメインターゲットに、ホークス85年の歴史や現役選手のプロフィールなどを展示し、「野球観戦の楽しさが広がる貴賓室」をテーマにプロジェクトを推進しました。また、この球団を詳しく知らない方にも、ホークスのファンになってもらえるような部屋に仕上げています。当社は単なる内装工事の提案だけではなく、室内の壁、照明、小物に至るまで貴賓室オリジナル仕様にこだわったデザイン、制作を行いました。
宮崎県日南市飫肥は藩制から続く風光明媚な重要伝統的建造物群保存地区の城下町であり、旧武家屋敷改装のホテルができるなど、民活利用による活性化が進んでいます。本プロジェクトは当地で著名な小村寿太郎記念館および飫肥城歴史資料館を「展示50%+周遊50%」のリニューアルコンセプトのもと、来訪者の知的好奇心や滞在満足度を向上し飫肥の周遊につなげることを主眼としています。飫肥城歴史資料館リニューアルでは、これまでの資料解説中心の受動的展示から、体験性や物語性を重視した体感型手法とし、飫肥城や飫肥藩、藩主伊東家といった当地ならではの情報がより分かりやすく、かつ関連する周辺スポットにアクセスしやすい展示です。貴重な刀工・井上真改のコレクションも美しく見せる照明や展示を工夫しています。さらに「情報ライン」や掲示板で情報更新性を高める工夫も行っています。また、本プロジェクトでは制作コンセプト「みんなでつくるまちごとミュージアム」を掲げ、一年を通じて市民と一緒に展示づくりを行い、本施設も子供たちのワークショップの結果を展示情報に組み込んで、まちの周遊につなげています。
「みんなでつくるまちごとミュージアム」で市民参加型展示をつくり、飫肥の魅力を伝えます。宮崎県日南市飫肥は藩制から続く風光明媚な重要伝統的建造物群保存地区の城下町であり、旧武家屋敷改装のホテルができるなど、民活利用による活性化が進んでいます。本プロジェクトは当地で著名な小村寿太郎の記念館リニューアルを行い、「展示50%+周遊50%」のコンセプトのもと、来訪者の知的好奇心や滞在満足度を向上し、街の周遊につなげることを主眼としました。館内は2つの展示室があり、【飫肥へようこそ】展示では街の周遊促進を図るショールーム展示とし、体験的手法で城下町に息づく歴史文化や武家屋敷の魅力を紹介します。【小村寿太郎ヒストリーコレクション】は寿太郎の生涯をたどった「大型絵本の物語空間」と「市民参加映像」を製作し、小村寿太郎を初めて知る方にもドラマチックで楽しい展示となっています。また、本プロジェクトは「みんなでつくるまちごとミュージアム」を掲げ、一年を通じて市民と一緒に展示づくりを行いました。子供たちとのワークショップで見つけた街のお宝の展示化や、小村寿太郎映像で100名超の市民が役者やメイク・着付けの裏方に関わっています。これらを踏まえて記念館が市民に誇りを与え、自らが関わったという証と共に地元や来訪者に長く愛されることを目指しました。
九州三菱自動車販売株式会社様のショールーム兼オフィスの建て替えプロジェクトです。鉄骨造8階建てのビルで、当社は1階のカフェ・レストランと2階のショールームの内装設計および施工を担当しました。 福岡市薬院の新たなランドマークとして、「帯」をコンセプトに人や街(地域)とつながることができる空間づくりを目指しました。 カフェ・レストランは入りやすいオープンな空間とし、ショールームと一体化したコミュニケーションスペースとなるようにデザインしました。また大型デジタルサイネージや自動車を象徴的に展示するターンテーブルや光天井などを設え、カフェの利用客にも自然と車に関心を持ってもらうためのエレメントを散りばめました。 2階のショールームでは「帯」を象徴する曲面を多用した有機的な意匠を採り入れ、天井には三菱のスリーダイヤをデフォルメしたデザインパターンを施しました。また三菱ブランドカラーである黒・白・グレーを基調とし、シンプルで重厚感のある「三菱自動車らしい」ショールームとなっています。そのほか家族で訪れても子どもが楽しく遊べるキッズコーナーや、V2H技術を訴求するためのコーナー、重要な商談などを行うための専用コーナーを設け、従来のショールーム空間の機能をさらにアップデートした空間設計としました。 施工:ピーエス三菱・三菱重工交通建設エンジニアリング特定建設工事共同企業体 【社会課題/お客様の課題/ご要望】 既存顧客に加えて、若い家族世代や車にあまり関心がない若者など、これまで取り込み切れていなかった新たな顧客層にも幅広く訪れてもらえるような空間にしたいとのご要望をいただきました。 【解決策】 大通りに面した1階のカフェレストランは、解放できるサッシ窓によりテラス席と店内をボーダーレスにすることで、通りにまでサイネージ映像やさまざまなイベントの訴求ができ、多種多様な集客が期待できる空間づくりを目指しました。 2階ショールームへと繋がる象徴的な帯状の螺旋階段と吹抜け、マテリアルの統一により、2つのフロアを一体とすることで、カフェレストランを利用されるお客様を自然にショールームへといざない、三菱自動車のV2H技術や最新のテクノロジーに触れ、自動車の可能性が人々において持続的な豊かさと幸福を感じることができるアイコニックな環境を演出しました。 ショールーム中央にキッズコーナーを配置し商談しながら子供に目が届く配慮など、お客様視点での計画を随所に採り入れました。また、ビル屋上に設置された太陽光発電と連動したV2Hや人感センサー、自動調光システムによる照明制御を取り入れ環境負荷低減への配慮を行っています。 <当社プロジェクトメンバー> 【営業・プロジェクトマネジメント】 後藤 直樹 【設計・デザイン】 高尾 和敬、澤田 理歩 【制作・施工】 中野 敬二
「長崎街道かもめ市場」とは、かつて長崎街道が、長崎に伝来した文化や技術を全国に伝える架け橋であったように、西九州新幹線かもめが新たな架け橋となり「長崎街道かもめ市場」より、長崎の魅力を全国へ発信しています。 施設開発コンセプトは「ながさきファースト」です。「長崎らしさ」を発信し「長崎が県内や県外・世界とつながる」、「長崎の元気をつくる」、また「自然と毎日立ち寄りたくなる」場所を目指しています。 【社会課題/お客様の課題/ご要望】 新たに生まれ変わる長崎の陸の玄関口として、新しい交流が生まれ、賑わいがあふれる空間づくりを求められました。 【解決策】 デザインコンセプトを「豊かな水辺の文化と歴史のまち長崎」とし、海外につながる港を中心とした表現を目指しました。 ファサードデザインでは青と白の波型タイルで長崎港の水辺と波間にきらめく光を表現しています。 インテリアデザインでは、回遊性の高い空間とすることで長崎のまちを体現し、大きな外周動線と内側に入る小道の構成により長崎のまちを凝縮した多数のショップと出会え、「どこか懐かしい」「でも新しい」がまちと人との調和を図る空間を実現しました。 【お客様の声】 予算等の関係上、ご提案いただいたデザインを採用できない部分も発生しましたが、柔軟に代替案などご提案・ご採用いただきまして、予算内で魅力的な空間が実現できたと感じております。 <当社プロジェクトメンバー> 【営業・プロジェクトマネジメント】 古賀 忠彦 【デザイン・設計】 越膳 博明、平山 淑貴、波田 英昭、山名 美月
~ 「復興のシンボル」として、災害の度に修復してきた人びとの思いとその歴史を伝える ~ 2016年4月の熊本地震は、熊本城天守閣にも被害をもたらしました。シンボルである天守閣が元の姿に戻ることを切望する人びとの声を受け、熊本市は天守閣の早期復旧を方針に掲げ、建物は最新の耐震技術を取り入れ、2021年3月に完成しました。 ここには、築城以来400年間、繰り返される災害の度に修復してきた人びとの思いが引き継がれ、これからの100年、400年の未来に向け、“今”を生きる熊本の人びとからのメッセージが込められています。 展示は、地下から最上階まで時系列にテーマ構成し、それに対応した空間デザインを図るとともに、模型や映像、壁面デザインなどで、わかりやすく印象的な空間を実現しました。 城全体ではなく天守閣を中心とし、築城時の歴史、建築意匠、防御機能、城と町づくり、さらに被ってきた災害の度に修復してきた人びとの思いとその歴史を伝えています。 【社会課題/お客様の課題/ご要望】 ・熊本地震被災からの復旧のシンボルである天守閣において、天守閣のもつ歴史的、建築的、精神的意義を発信すること。また、歴史的にも数多くの自然災害に見舞われてきた熊本城が、今般の地震でも再び甦ったことを発信すること。 ・熊本城全体ではなく、“熊本城天守閣”に焦点をあて、周辺施設の展示内容と役割分担、連携・補完を図ること。 ・天守閣内は保存環境の制約が多いため、基本的には実物資料の展示はおこなわず、従来はなかった西南戦争以降の熊本城天守の歴史展示を追加すること。 ・ユニバーサルデザインの観点から、触れる展示、多言語音声ガイドなどを導入し、幅広い層の方に展示を楽しんでいただけるようにすること。 上記のご要望をいただきました。 【解決策】 天守閣を主役とし、築城から現在まで、時間軸に沿ったストーリーに整理し、各階で時代ごとのテーマを設定しました。 築城した加藤清正の時代を1階に、その後の藩主となった細川時代、全焼と再建を経験した近代、そして熊本地震とその復旧に尽力する現代と、下階から上階に向けて時代を追えるようにストーリーを整理しました。また、天守閣という建築物もさることながら、江戸時代から、度重なる災害でも、その度に修繕してきた人びとの「熊本城を元に戻し、後世に伝えたい」という強い意志を発信するため、映像などではそこに焦点をあてて構成しました。 さらに、幅広い来城者に応えるために、多言語の音声ガイドや触って形のわかる天守閣の触知模型などを計画し、実現しました。 【お客様の声】 模型とプロジェクションマッピングを活用した解説や、タイトルサイン・アプリを用いた多言語音声ガイドなど、誰にでもわかりやすく興味を引きやすい手法で展示が構成され、来場者からも好評いただいています。 <当社プロジェクトメンバー> 【開発】 横山 昌昇 【営業・プロジェクトマネジメント】 横山 昌昇、天野 晴香、沢田 杏仁 【デザイン・設計】 芦田 光代、堤 雄一郎、巻柄 利枝、和順 菜々子、本田 洋一、藤原 直矢 【造形】 遠藤 信之 【制作・施工】 池谷 雄、木村 芳和
お問い合わせ/お見積もり依頼/資料請求は下記よりお気軽にご連絡ください。お問い合わせの多いご質問や、よくいただくご質問は別途「よくあるご質問」ページに掲載しておりますので、ご活用ください。
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