近代日本を代表する歌人の一人である石川啄木の顕彰と資料保存などを目的として1970年に開館した石川啄木記念館が、玉山歴史民俗資料館を増設しながら2025年にリニューアルオープンしました。啄木の残した「ふるさと」という言葉をコンセプトで2館をつなぎ、啄木記念館では啄木の生きた明治期、歴史民俗資料館では昭和30年代頃を中心としながら、現代の玉山の姿も併せて見ることができる構成としています。石川啄木記念館では空間全体を使い、啄木の生きた26年の人生と、没後から現代までの人々の顕彰活動を巨大な年表として表現しています。年表の下には、その年代ごとの収蔵品、その当時の啄木のことばなどを見ることができます。中央のシンボル展示では、啄木が実際に弾いたオルガンが展示され、その背景の大きなスクリーンでは「啄木の人生」「啄木とふるさと」の2編のオリジナルアニメーションを選択し見ることができます。また、企画展示室や蔵書閲覧コーナーなども設置されています。玉山歴史民俗資料館では、地域の方々から寄贈された民俗資料展示のほか、民俗芸能や自然の姿なども映像や情報検索システムを使って保存され、見ることができます。2館をつなぐ廊下部分では講演会やワークショップが行える多目的ホール、ミニ企画展示などが行える棚展示「つながるたまやま」、収蔵庫の一部をガラス張りにした「見せる収蔵庫」などが配置されています。その窓からは、啄木がかつて暮らした齋藤家住宅、渋民尋常小学校を眺めることができます。