なんとなく進めていませんか?—大きな会議で、何も決まらない理由

普段は主に営業を担当しております、高森です。
大人数の会議では、様々な議論が交わされます。なのに、なぜか肝心の「決定すべきこと」が曖昧なままだったり、何も決まらずに終わってしまう……なんてこと、ありますよね。
そこで今回は、私たちが現場で何度も直面してきた経験をもとに、「進まない会議の正体」と、その乗り越え方を考えてみます。
大きな事業ほど、会議は“踊りやすい”
乃村工藝社でいえば、ミュージアムづくりのような一大事業では、関わるステークホルダー や関係者が多く、会議の出席人数も大規模になりがちです。
こうした場で気をつけないといけないのが、弊社の提案に対して「いいね、わかった」という反応はあるものの、何も決まらないまま次に進んでしまうことです。会議の雰囲気から「決まった」と思い込み作業を進めても、後になって決定事項ではなかったことが判明し 、作業は手戻り……といったことも起こりかねません。
ともすれば、全員が真面目に取り組んでいるからこそ明確な決定がなされないまま、「なんとなく」プロジェクトが進んでしまう。
これでは、後々の混乱の元になってしまいます。
人が多い会議で起きている、本当の問題
会議体が大きくなると、実は構造的な問題が表面化します。
まず、責任の所在が曖昧になります。
さらに、発言が「個人の意見」なのか、「会社としての意思」なのかが分かりにくくなります。
大きな社内会議などを例に考えても、役員の発言が方向性の提示なのか、単なる個人的な感想なのかが判断できず、戸惑う場面は少なくありません。
加えて、「リーダーの指針」と「リーダーより立場が上の人の意見」が同時に存在すると、現場はどちらを優先すべきか分からなくなります。
その結果、誰も決められず、誰も責任を取れず、朝令暮改が繰り返される。
会議は行われているのに、決定事項が印象よりも少なく、「3歩進んで2歩下がる」状態に陥ってしまいがちです。
乃村工藝社が意識している「提案の出口」
実は私たち自身も、時として同じような状況に陥ることがあります。
提案をまとめることに意識が向きすぎて、「この提案で、何を決めてほしいのか」を十分に伝えられていないケースです。
提案を受け取る側からすると、「どこを判断すればいいのか」「今日は何を決める場なのか」その受け取り方が人によって異なり、結果として判断に迷いが生まれてしまいます。
そこで私たちが意識するようになったのが、提案には必ず「出口」を用意する、という考え方です。
ここで言う「出口」とは、この提案を通して最終的に何を決めたいのかを、あらかじめ共有しておくことを指しています。
そのために、私は 会議の場で「この会議は、何を決めるための場なのか」を最初に明確にするようにしています。
具体的には、
・この会議の着地点(何かを決める会議か? 意見を出し合う発散の場としての会議か? など)
・持ち帰ること
・次回までの宿題
・誰が、いつまでに対応するのか
といったポイントです。
こうしたポイントを事前に整理し、会議の役割を共有します。
会議体そのものを整えることで、議論は単なる意見交換ではなく、前に進むための時間へと変わっていきます。
実はこれらのポイントは、会議に参加する多くの人が「頭では分かっている」ことでもあります。
ただ、それを事前に言語化しないまま進めてしまうことで、議論の流れに押され、結論が曖昧になってしまうことが少なくありません。
だからこそ、最初に「何を決める場なのか」を共有しておくことが重要で、それだけで会議での意思決定が、驚くほどスムーズに進むことがあります。
私が現場で大切にしているこの考え方が、今まさに「なんとなく」進んでいるプロジェクトを見直すひとつのヒントになれば幸いです。