空間創造によって
人々に「歓びと感動」を届ける

乃村工藝社

「面白い」を作る仕事の「面白い」とは?

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空間づくりを通じて、特にコミュニケーション領域でお客さまが「新しいこと」を始めるお手伝いをしております、彦田です。
仕事で「せっかくやるなら面白くしたい」と思うことは、おそらく多くの人にとって自然な感覚です。ですが、その「面白い」とは何を指すのでしょうか。具体的に説明しろと言われると、答えに詰まる方も多いと思います。
そこで今回は、ある小学校での取り組みをきっかけに、「面白い」という言葉を考え直すことになった実体験をお話しします。
 

小学校での空間づくり

とある中部地方の公立小学校の空間づくりに関わることになったのは、学校という公共性の高い場で、空間がどのような役割を果たせるのかをあらためて考える機会でもありました。
この学校では「イエナプラン教育」のコンセプトを取り入れた先進的な教育方針が取り入れられるなど、教育の中身は確かに進化していました。
一方で、教室や校内の空間は、私たちが子どもの頃に通っていた学校と大きく変わらない部分も多く残っていました。
そこでこのプロジェクトでは、「目立つ空間をつくる」や「分かりやすい成果を出す」よりも、「この学校に本当に必要な空間は何か」を考えることを重視しました。
 

子どもたちと向き合う中で見えてきたこと 

その過程で、小学5年生およそ100人を対象にしたワークショップを行いました。
「どんな空間があったら、学校で過ごしやすくなると思う?」
出てきた意見は、とても率直なものでした。
「集中できる場所がほしい」「少し疲れたときに、気持ちを切り替えられる場所があるといい」
それらの意見は、これまでオフィスやワークプレイスを考える中で耳にしてきた声と、驚くほど共通していました。年齢や立場が違っても、空間に求める本質は大きく変わらなかったのです。
議論を重ね、いくつかの案の中から一つを選び、学校への空間づくりを提供しました。
完成した空間そのもの以上に、子どもたちと対話しながら考え続けた時間が、このプロジェクトの核だったように思います。
 

「面白さ」の捉え方が変わっていった 

これまで私が「面白い仕事」だと感じていたのは、規模の大きさや話題性、見た目のインパクトといった、分かりやすい成果にひもづいていたように思います。
一方で、今回の小学校での取り組みでは、そうした成果を目指すこと自体が目的ではありませんでした。
子どもたちや教育現場の声に向き合う中で、正解のない問いを前に考え続けること。
相手の声や背景を手がかりに、より良い形を探りながら、試行錯誤を重ねていく時間。
それらのプロセスを通じて、仕事に対する手応えや充実感の質が、これまでとは少し違って「面白い」と感じられるようになりました。


ひとつの答えとしての「面白さ」

「面白い」とは、先に挙げたような結果そのものも確かにそうです。
しかし、「やっていて面白いと思える」仕事というのはまた別で、全力で未知の事例に向き合っていく「過程の中で感じるもの」だと思いました。例えば、新領域の事前計画を立てるとき。それを進めていく中での、計画外の新しい発見や驚き。そして結果を得るまでの過程で感じた「面白さ」は、そこにしかないものです。
「仕事の面白さ」に悩んだときのヒントとして、この記事が役立てば幸いです。

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