空間創造によって
人々に「歓びと感動」を届ける

乃村工藝社

日本の現場って何が違うの?

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当社で主に海外のお客様の案件を担当しております太田です。
外資系企業の日本支社に勤める担当者の悩みとして多いのが、いわゆる「海外基準」とのギャップ。
本社のガイドラインどおりにすると、どう考えても日本の現場には合わない。なのに「なぜできないのか」と問われて困った経験はありませんか?
乃村工藝社が携わってきた国内外の現場で見えてきたのは、単なる文化や商習慣の違いだけではありませんでした。空間そのものが外資系企業の本国で造られた環境、また法規・規格など、日本国内との「前提」の差が多くあったのです。


現場の前提が違う

海外、特にアメリカなどの商業施設は、広い敷地や十分な搬入スペースを前提に設計されていることが多く、資材や什器を完成形のまま運び入れることができます。
一方、日本では建物が密集し、搬入経路が限られるため、施工工程が細かく分かれがちです。
たとえば、外資系企業の本社から指定された什器がエレベーターに入らず、現場で分解・再組立を余儀なくされた。似たような経験をした担当者も多いのではないでしょうか。
日本の現場では、限られた条件の中で最大の成果を出すための工夫が日常的に行われていますが、外資系企業からは前提条件の違いが理解されず、すれ違ってしまうことも多々あります。


違いを理解し、説明できる力を持つ

本社の意向と日本の現場の事情がすれ違うとき、ただ「難しいです」と伝えるだけでは互いに納得がいきません。重要なのは、なぜそうする必要があるのかを、制度や安全基準、運用ルールの背景から説明できること。
「この条件を守ることで、作業と出来上がりの質を担保しています」と言葉を置き換えるだけで、説得力がまったく変わります。
そのためには、搬入経路や工程表、写真など、具体的な情報をもとに可視化することが欠かせません。
感覚ではなく、事実で説明する。そこに信頼が生まれます。


違いを共有し、協働へとつなげる

外資系企業の本社とのやり取りは、しばしば「日本では特別」という言葉で片づけられがちです。
しかし、違いを丁寧に共有し、条件や意図をすり合わせることで、互いに納得できる方法を見いだすことができます。私たちは、国内外の施設やイベント空間の企画・設計・施工を通じて、異なる基準や文化をつなぐ“現場の翻訳者”として活動してきました。
現場の制約を整理し、本社側に伝わる形で整えることで、関係者全体が同じ方向を向くことができます。
違いを理解し合うことで、本社が意図したデザインや体験を、日本の現場に合った形で実現できるのです。


日本の現場は制約が多い分、丁寧さと工夫の積み重ねで高い品質を保っています。
その背景を理解し、的確に伝える関係づくり。「つくる」意味でも、「わかる」意味でも、関係者が同じ空間を共有できることが大切です。
 

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