加賀屋は、⽯川県七尾市の和倉温泉に本店を構える⽇本を代表する名旅館です。2024 年1⽉、能登半島沖で発⽣した地震により、加賀屋も甚⼤な被害に遭いました。その一方で、旅館の⽞関には震災に負けずに⽴つ松の木があり、その堂々とした姿に人々は⼼を打たれました。そこで今回の店舗づくりにおいては、能登の地で祈りの対象として崇められるこの“松” をデザインコンセプトとしました。店舗の中央に位置するカウンター天井には、松の葉をつなぎ合わせた意匠で松が天へと伸びていく姿を象徴的に表現しています。ファサードには、能登の空に伸びる松の葉を表現するデザインで、訪れる⼈々を温かく迎え⼊れるような演出としました。また、歴代の⼥将たちに代々受け継がれてきた銀⽷の帯をカウンターバックの飾り棚に設え、旅館で代々受け継がれてきた⼯芸品や美術品も各所にちりばめ能登の美と技を継承しています。加賀屋様の伝統とおもてなしの⼼、そして再起への思いを、能登の松の生命力と力強さに重ね、店舗を共につくりあげました。