小椋 瑞希(おぐら みずき)
東京出身。学生時代は法学部政治学科で国際政治史を中心に学ぶ。資産管理専門信託銀行を経て2018年に乃村工藝社入社。銀行時代に培ったプロジェクトマネジメント力をベースに、商業・エンタテインメント・オフィス・レジデンス・イベント・商品開発など多岐に亘る領域で業務・体制コーディネートやPMを担当している。
2018年に開発営業職として乃村工藝社にキャリア入社した小椋 瑞希。現在は主任として国内の複合開発の構想業務に携わっています。前職では信託銀行で機関投資家の国内有価証券資産管理を担当していた小椋が、空間づくりとの出会いを経てキャリアチェンジした背景と、新たな環境で見つけたやりがいを語ります。
ビジネスプロデュース本部第一統括部 開発1部 横浜営業所に所属する小椋 瑞希。ビジネスプロデューサーとしてさまざまな事業の開発に携わっています。
小椋 「私の所属する部署では、国内のデベロッパーを中心に、都心部の複合開発や新規施設開発の企画検討をサポートしています。プロジェクトの最上流にあたる土地の取得段階や事業判断の段階も含めた構想業務を中心にご相談を受けています」
その中でも小椋は、横浜エリアを中心としたデベロッパーとのネットワーク構築や新規業務開発を担当しています。
小椋 「商業施設、オフィス、エンターテインメント施設、温浴施設、公園など、多様な開発案件に携わっています。『この立地にはどのような用途や規模が良いのか、何をやったらいいか決めかねている』といった漠然とした企画段階でのご相談もあれば、ある程度の検討を重ねた上で、プロの目線での意見を求められることもあります」
こういった相談に対して、社内のプランニング職メンバーを中心としてチームを組み、エリアや立地を分析。地域のニーズとお客さまの意向をふまえた方向性を導き出していきます。そんな業務の中で、大切にしているのは「情報編集力」だと言います。
小椋 「どの切り口からご相談が来るか分からないため、幅広いジャンルの情報収集を心掛けています。日頃からお客さまと情報交換し、事業の特長やご興味のありそうなことをキャッチして、ご相談時にすぐ対応できるよう準備。こちらから話題を振ることで新たな仕事につながることもあります。
情報収集の一環として、セミナーや異業種交流会にも積極的に参加しています。『サステナブル』『農と食』など昨今よく話題になるキーワードを見かけたら足を運び、お客さまが接点を持っていなさそうな人とのネットワークを構築。意外な場所で共通の知り合いと出会ったり、思いがけない人脈とつながったりします。
そうして得た知識・情報を編集しながらお客さまと話を進め、課題解決のカギを探るようにしています」
乃村工藝社の強みは、多様なノウハウや専門知識を持った社員が在籍し、お客さまのニーズに応じて適切な人財を配置できる点だと言います。
小椋 「いろいろな人財がいて適正なチームアップができるため、安心感や総合力をご提供できます。さらにオリジナリティや業界に特化した専門性が求められる場合は、外部のネットワークを活用してチームを編成することも。
乃村工藝社が全体のディレクションやプロジェクトマネジメントを担うことで、社内外のネットワークを活かした最適なチームづくりを実現しています」
前職では信託銀行で資産管理業務に従事していた小椋。集中力や正確性が必要な職場ではリフレッシュできる空間が必要と感じ、2015年頃から社会人向けデザインスクールで空間デザインを学び始めました。
2017年に銀行を退職後、デザイン事務所や建築事務所でインターンを経験。
小椋 「デザインスクールやインターンでの経験を通じて、空間の変化が人の気持ちの切り替えに与える心理的効果の大きさを実感しました。またデザインの力を知り、この業界からニーズに応えていきたいと思いました」
プロジェクトマネジメント業務を通じて前職のスキルも活かせることに気づき、空間づくりに関連する企業の営業職を目指した小椋は、2018年に乃村工藝社と出会います。
小椋 「募集職種が『開発営業』で、新規顧客の開拓や新しい業態の開発など、幅広い構想プロジェクトの上流工程に携われることに惹かれました。前職は比較的、決まったメンバーと定められたルールに沿って遂行する仕事が中心でしたが、もっといろいろな方とチームアップをして、新しい切り口の仕事にチャレンジしてみたいという気持ちが生まれたんです」
こうして新たなキャリアをスタートさせた小椋にとって、営業として最初の象徴的な案件となったのが、『住友生命「Vitality」プラザ』に関するプロジェクトでした。
小椋 「2018年の夏頃、展示会で健康増進型保険のPRをされていたところに情報交換で飛び込んだところから関係がスタートしました。お話を伺うと、単に新商品を販売するのではなく、地域と連携し、ライフスタイルに寄り添った健康サポートをしたいという想いをお持ちであることが分かってきました。
当時、乃村工藝社は地域創生に力を入れているまちづくりの事例があったため、その視点からコミュニケーションを続けました。すると、そうした理念を実現するためのリアルな拠点を持ちたいというお話が挙がり、ご相談をいただくことにつながりました」
約1年間のコミュニケーションを経て業態開発の業務を受注し、保険を販売する店舗ではなく、健康増進活動を体験・サポートする情報発信拠点として、2019年に第1号店、続けて2~3店目を経て、2021年には銀座に旗艦店がオープンしました。この経験から小椋は重要な気づきを得ます。
小椋 「最初から店舗づくりなどの手段を提案するのではなく、お客さまのビジョンやミッションを理解することに重点を置き、相談役として議論を重ねることで、結果的に信頼関係が築けて成功につながることを学びました」
▲横浜ランドマークプラザ「ヨコバル」
2021年からは、新たな分野への挑戦として国産木材を活用した商品『(仮称)WOOD FLOOR UNIT 3.2』開発プロジェクトに携わりました。
小椋 「もともとお取引のあったお客さまから、総合林業事業を展開するグループ会社の新商品開発についてご相談をいただきました。特徴的だったのは、特注品ではなく既製品として大量販売できる商品を目指したことです。社内でアイデア交換会を実施し、各部門の知見を集めることから始めました。さらに総合金属建材メーカーやワックスメーカーなど外部企業にも声をかけ、最終的に三菱地所さま・MEC Industryさまを含む6社が参画する開発チームを編成しリリースすることができました。
林業の活性化や森林の循環も考慮し、大量採用可能な商品開発を目指しました。価格や強度のバランス、一般的な床の耐荷重レベルの達成など、さまざまな検証が必要でした。
商品開発は私にとっては初の試みでしたが、社内の経験豊富なメンバーや法務・広報と連携し、2年半をかけて完成。現在は環境配慮に対する意識の高まりもあり、『ビル1棟で採用したい』といった大型案件の問い合わせも寄せられています」
同じく2021年から取り組んでいるのが、横浜ランドマークプラザの30周年を契機としたプロジェクトです。
小椋 「横浜を代表する施設として、今後どう街を牽引する存在であり続けるかを、お客さまと数年がかりで議論してきました。
特徴的だったのは、複数の分野において有識者への聞き取りを行い、外部の視点をフラットに取り入れたことです。通常は企画の方向性を決めてから検証のためにヒアリングを行うことが多いで、このプロジェクトでは大きな枠組みだけを決め、先入観なく意見を聞くというアプローチを採用しました」
その結果、地域と食の魅力を発信する場所作りが第1弾のテーマとして選ばれ、2025年5月29日に「ヨコバル」がオープンしました。
小椋 「お客さまが数あるテーマの中から、まず『食』を選ばれたのは、来館者にとって身近に感じやすいという文脈でした。また、横浜在住のアーティスト・山下 良平さんに壁画制作をお願いできたのは、デザインスクール時代にスクールの経営層だった方にご紹介いただいたおかげです。
このプロジェクトを通じて、さまざまな分野の方と常日頃から接点を持つことで、従来にない業務の切り口や提案が生まれることを実感し、大きな学びとなりました」
開発営業の醍醐味について、小椋はこう語ります。
小椋 「お客さまの『雲をつかむような案件』が、先に進んでいけるようになることに醍醐味を感じています。お客さまと一緒に頭を悩ませながら進めていくのが面白いところで、時にプレッシャーもありますが、やりがいにもつながっています」
信頼関係の構築において小椋が心掛けているのは、事業への深い理解と柔軟な対応です。
小椋 「お客さまの事業に深く踏み込んで、悩みやニーズをしっかりと把握することが重要です。雑談の中で出てきた案件に対しても『できません』とは言わず、まずは実現可能な方法を模索します。正解がない中で、お客さまのニーズと社内外で収集した情報を元にベストな判断を下すことが開発営業のミッションだと考えています」
今後の展望について、2つの軸で事業開発を進めていきたいと語ります。
小椋 「1つは『持続可能な社会』や『地球と共生する』というテーマを、ただ掲げるだけでなく、人の日常やライフスタイルに実際に落とし込んでいく空間や企画を提案することです。2つめは、エンターテインメントなど非日常的要素を日常に取り入れていくこと。集客を検討する際には、こうした要素が求められていると感じています。最終的には、両方の軸を融合させることで、新しい空間づくりにつなげていきたいですね。
今後もジャンルを問わず、みんなを巻き込んで新しいチャレンジをしていければと思っています」
乃村工藝社の魅力について、小椋は次のように話します。
小椋 「個性を活かして働いている方がたくさんいると感じています。画一的な知識やスキルではなく、それぞれの興味関心や得意分野を専門スキルにしている方が非常に多いんです。
特に開発営業では、プロジェクトごとにチームが変わるため、常に新しいメンバーとのチームづくりが求められます。いろんな人と出会い、多様な考えを取り入れながら、自分の進め方をアップデートしていきたい方には向いている環境だと思います」
小椋自身も、組織の中で目指す姿を明確に持っています。
小椋 「『とりあえず小椋に相談すれば、いいチームを作ってくれそう』『何かアイデアをもらえそう』『聞いてみたら有益な情報がありそう』と思ってもらえるような存在でありたいですね。私自身、好奇心旺盛で何でも興味があるというところが個性だと考えています。幅広い分野に興味を持ち続けることで、自分らしさを発揮していきたいと思っています」
※ 記載内容は2025年5月時点のものです
東京出身。学生時代は法学部政治学科で国際政治史を中心に学ぶ。資産管理専門信託銀行を経て2018年に乃村工藝社入社。銀行時代に培ったプロジェクトマネジメント力をベースに、商業・エンタテインメント・オフィス・レジデンス・イベント・商品開発など多岐に亘る領域で業務・体制コーディネートやPMを担当している。
お問い合わせ/お見積もり依頼/資料請求は下記よりお気軽にご連絡ください。
お問い合わせの多いご質問や、よくいただくご質問は別途「よくあるご質問」ページに掲載しておりますので、
ご活用ください。