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概要
乃村工藝社本社ビルに、リクルート面接のための会議室と待合ラウンジスペースを新設しました。
利用される方は緊張感を持ってこの場所を訪れることが予想されるため、誰もがリラックスしてパフォーマンスを発揮できるような空間にするとともに、面接を受ける方に「乃村工藝社で働きたい」と思ってもらえるような空間を目指しました。
課題・要望
本プロジェクトでは、以下の2点が主な課題でした
①リクルート面接や重要顧客との打ち合わせに利用するため、会社の顔となる空間としてどのようなものがふさわしいのか
②タイトなスケジュールの中で完成させるためにどのような工夫ができるのか
解決策
①リクルート面接では、候補者が緊張した状態でこの場所を訪れることが予想されるため、誰もがリラックスしてパフォーマンスを発揮できるように「tokeru(解ける)」というコンセプトを設定しました。
会議室は、氷が解けていくような曲面のガラスを採用し、ラウンジも含めテーブルやソファなども丸みを持ったものとすることで視覚的な柔らかさを取り入れました。通常、ガラスパネルを用いて会議室を製作すると、音響的な問題が発生することがありますが、このプロジェクトでは天井と壁に高機能吸音パネルを採用し、それらを解消することでガラスとレースカーテンによる柔らかな印象の会議室を実現しています。
ガラスとレースカーテンとの間には間接照明を設置し、シルエットは認識できるが表情までは読み取れない程度の透過度に調光することで、中の雰囲気を外からも確認できるような緊張を解く会議室のあり方を実現しています。
ラウンジには、時間とともに変化する外光を感じさせるような光壁を設けています。カーテン越しに見えるさわやかで柔らかい光は、面接を待つ間・終わった後の感情にもさりげなく寄り添ってくれる要素になっています。
②BIMをデザイン・実施設計から施工まで一貫して活用することで効率化を図りました。従来はモックアップを作成し、効果測定していたところを3Dモデルによる各種シミュレーションを実施し、機能性を定量化することで、時間短縮を図りながらも快適性を確保しています。
設計着手時に既存建物を3Dスキャンすることで現地調査の時間短縮と正確性の向上を実現しました。意匠確認ではVRを活用し、ローコストで現実空間と同じ感覚での検証を可能としました。なお脳波測定によりVRでの空間体験が現実空間と近いものであることも確かめられています。
また、会議室はガラスで囲まれていることから音の反響が生じる恐れがあったため、音響のシミュレーションを行いました。パネルの吸音性能を確認した上で設計を行ったことにより、反響を抑えた声が聞き取りやすい空間としながらも、曲面ガラスの柔らかい意匠性を実現することができました。
環境配慮の観点からBIMを活用したCO₂排出量の算定とともに、照明や空調のシミュレーションを行うことで消費電力を最小限に抑えながら快適な空間を実現しています。施工段階では工程をアニメーションで可視化することで、関係者全員が工程を直感的かつ正確に理解できるようにしました。
プロジェクトメンバー
基本情報
- オープン
2025
- 所在地
東京都
- クライアント
乃村工藝社
- ソリューション
調査、企画・基本構想、デザイン・設計、制作・内装施工
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