有元 茜(ありもと あかね)
1982年生まれ大阪育ち。大阪芸術大学卒業後、ディスプレイ会社に在籍。2019年に乃村工藝社入社。デザイナーとして主に展示会、ショールーム、企業施設などを担当。最近では温浴施設やEXPO2025も担当し、業務の幅を広げる。
大阪事業所でデザイナーを務める有元 茜。2019年に中途入社して以来、ショールームや展示会などを中心に幅広い領域で活躍してきました。海外プロジェクトにも積極的に参画するなど、前職での経験を活かしながら現在進行形でキャリアの可能性を広げ続ける有元。乃村工藝社でデザイナーとして働く醍醐味を語ります。
クリエイティブ本部 第二デザインセンターに所属する有元。2023年12月現在、デザイナーとして主に企業系のプロジェクトを担当しています。
有元 「担当の8割を占めるのが、ショールームや展示会などの企業系です。加えて、最近は温浴施設などの商業系のプロジェクトにも携わっています」
どのプロジェクトにも、デザイナーは初期段階から参加します。打ち合わせに同行してお客さまと折衝しながら、アイデアをかたちにしていくことが有元の役割です。
有元 「デザインスキルや最新トレンドをキャッチアップすることも大切ですが、お客さまの要望や想いを汲み取り、的確に捉えることが求められます。プロジェクトの成否を左右するのはコミュニケーションです。何よりもまず、お客さまとの信頼関係構築に重点を置いてきました。
コミュニケーションを通して信頼関係が築けていれば、お客さまの本音をダイレクトに聞くことが出来るので、目指すべき方向性が定まり、より適切な提案ができます。
それはお互いにとって気持ちよく仕事が進められることにもつながると、常日頃から感じています。
お客さまのイメージがまだ漠然としている場合や、方向性がなかなか定まらない場合も少なくありません。そんなときは、感覚に頼るのではなく、ロジカルなアプローチを心がけてきました。プランナーの力も借りながら、リサーチ結果に基づいて理路整然と説明することで、合意形成を図るよう心がけています」
一方、さまざまな分野のプロフェッショナルと協働できることがデザイナーの仕事の醍醐味だと話す有元。
有元 「私たちの仕事は、多くの専門家の力を結集して完成するものです。『本当にできるのだろうか』と疑問に思うような大規模なプロジェクトでも、各分野から集められたメンバーがそれぞれ知恵を絞り、力を発揮することで実現できるところにおもしろさがあります。
また、プロジェクトごとに参加するメンバーはさまざまです。異なる考え方を持つ人との交流を通じて自身の価値観の幅が広がり、成長している実感があります」
両親が建築設計をしていた影響で、幼いころから美術やものづくりに関心があったと話す有元。高校生になるころには空間創造の仕事を志すようになり、芸術大学に進学して空間デザインを学びました。
有元 「大学入学当初はまだ図面を手描きする時代で、T定規を使って製図版と向き合っていた記憶があります。建築CADを使い始めたのは2年生になってからでした」
卒業後、有元はディスプレイ会社へ。ショールームや展示会などを中心に担当し、デザイナーとしての基礎を学びますが、やがて転職を考えるように。その経緯を次のように振り返ります。
有元 「会社の規模が小さいため、ひとりの社員が担う業務量が膨大で、ハードワークが続いていました。加えて、担当するプロジェクトも似通ったものが多かったんです。新しいことにチャレンジする機会がないことに、だんだんと物足りなさを感じるようになりました。
新しい環境を探していた私にとって、業界最大手で手がける事業の幅も広い乃村工藝社は魅力的でした。ひと足先に乃村工藝社に転職していた前の会社の後輩に導かれるようにして求人に応募し、現在に至っています」
入社後、前職と同じ分野で活躍する一方、それまで経験のなかった領域にも積極的に取り組んできた有元。デザイナーとして着実にキャリアの幅を広げてきました。
有元 「ショールームや展示会をはじめとする企業系の仕事を中心に、飲食店などの商業施設も担当してきました。前職では経験のなかった海外プロジェクトに入社1年目から携わり、5年目からは温浴施設や万博のプロジェクトにも参加するなど、入社前に描いていたようなキャリアが実現できています」
▲「スパワールドホテル&リゾート」
2019年の入社後、有元が上長とのチームで初めて担当したのが「国際コンシューマ・エレクトロニクス展2019 Balance of Being(以下、IFA)」と「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー2020(以下、CES)」でした。
有元 「IFAは毎年9月にドイツ ベルリンのメッセベルリンを中心に開催される世界最大規模の見本市です。『A Better Life, A Better World』をテーマに幅広い商品を紹介するパナソニックのプロジェクトにアサインされ、一部展示の空間デザインを担当しました。
翌年には、IFAと並ぶ世界的な見本市であるCESでもパナソニックのブースに参加し、同様に展示空間デザインを担当しています。いずれのプロジェクトでも、パナソニックのメインコンセプトを空間デザインに落とし込んでいくプロセスに携わりました」
これらは有元にとって初めての海外プロジェクト。デザイナーとして大きな成長につながったと振り返ります。
有元 「参加当初はプロジェクトの進め方やスピード感の違いに戸惑う場面もありましたが、前職で長く同じお客さまの仕事を担当していた私にとって、新しい人と新しい仕事に関わること自体が新鮮な体験。対話を重ねながら互いの考え方を受け入れ、また受け入れてもらう過程で、自身の価値観が劇的にアップデートされていく感触がありました。
また、海外では日本に比べて、より自己主張が大切だと感じました。自分の考えや想いを瞬時に語り、相手に伝える努力を前のめりで進めていくぐらいが丁度良い塩梅だなと。また、海外のお客さま向けには提案資料をシンプルでわかりやすいものにすることを意識するようにしていました。コミュニケーションの面でも新たな学びがあり、とても貴重な経験ができたと思っています」
さらに2023年には、それまで経験のなかった温浴施設のデザインを任されます。
有元 「『スパワールドホテル&リゾート』の温浴プールと共通エリアの改装を、ルームチーフと共に担当しました。特にこだわったのが屋外プールのデザインです。ターゲット層と性別も世代も重なるプランナーや営業の助けも借りて、利用者目線を取り入れながら、通天閣を一望できる立地を活かしたインフィニティープールを採用しました。独創的なデザインを実現できたと自負しています。
次々にコンペを勝ち取ったことで当初の想定よりも規模が拡大した上、慣れない温浴施設の設計ということもあり、プロジェクトは非常に難航しました。でも、お客さまと私たちのデザインの方向性が一致したこと、社内の制作や設計チームの協力を得られたことなどが幸いし、無事完成に至っています。
オープン記念セレモニーではプロジェクトメンバーを代表して壇上に上がり、リニューアルコンセプトについて説明する役割を担うなど、非常に印象深い仕事となりました」
2023年で入社5年目を迎える有元。自身の成長を支えた乃村工藝社の組織風土の魅力をこんな言葉で表現します。
有元 「大規模プロジェクトを中心に扱う当社では、複数のデザイナーがチームを組んでプロジェクトを進めます。協力会社の方々を含め、さまざまな分野で活躍する個性豊かなメンバーが協力し合い、ひとりでは決して成し遂げられないものをかたちにしていけることは、ものづくりを担う者として大きな歓びです。
また、意欲があれば社歴に関係なく希望するプロジェクトに参加できる環境があるのも、当社ならでは。新しいプロジェクトに取り組むたびに新しいメンバーと出会い、新しい発見や学びが得られるのは非常に魅力的です」
そんな有元がいま取り組んでいるのが、大阪・関西万博のプロジェクト。新たな挑戦が始まっています。
有元 「万博に関わることは私が入社した当初からの念願でした。現在進めているプロジェクトを成功へと導くことが目下の目標です。
同時に、国内だけでなく、海外プロジェクトに取り組むことの重要性を痛感しています。IFAとCESの両案件で直面した英語によるコミュニケーションの課題を克服し、グローバルを舞台に活躍することが長期的な目標です」
デザイナーとしてさらなる高みを目指し、有元は新たな可能性を追求し続けます。乃村工藝社だからこそ、自分だからこそ見つけられる答えを求めて。
※ 記載内容は2023年12月時点のものです
1982年生まれ大阪育ち。大阪芸術大学卒業後、ディスプレイ会社に在籍。2019年に乃村工藝社入社。デザイナーとして主に展示会、ショールーム、企業施設などを担当。最近では温浴施設やEXPO2025も担当し、業務の幅を広げる。
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