阪神・淡路大震災から30年が経過し、震災を経験していない世代が増える中、震災直後の1997年につくられた神戸港震災メモリアルパークの改修を行いました。震災時のまま保存されている遺構と復興した神戸の街を対比して展示することで、地震の恐ろしさと街を復興させた神戸の人々の力強さを象徴的に伝えています。展示をリニューアルするにあたり、震災を経験していない若い世代にも理解しやすい内容に展示を再構成すると共に、近年増加している外国人観光客の方に向けて、展示グラフィックや映像の多言語化も行いました。また新たな展示要素として、遺構の震災前・震災時・震災後の状況を比較できるARコンテンツも制作しました。国内外・年齢問わず多くの人々にこの場所を訪れていただき、震災の記憶と教訓を未来へ継承する場所としてあり続けることを目指し、リニューアルを行いました。
東日本大震災の被害からの地域医療の復興と、大規模情報化に対応した新たな医療の構築を目指す「東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)」では、医療情報とゲノム情報を複合させたバイオバンクを構築しています。これまで、同じ病気に対して同じ薬を飲んでも効く人と効かない人がいる違いなどは、詳細が解明できていないために“体質”といった曖昧な言葉で説明されてきました。しかし、ヒトゲノム解読完了以降、ゲノム配列の細かな個人差が“体質”の差を生みだすことがあることが徐々に明らかになってきました。ToMMoは東北で2013年からたくさんの人からさまざまな情報や血液などの生体試料を提供いただくコホート調査を行い、解析をして、日本人ゲノム情報を高精度かつ低コストで解析可能とする「ジャポニカアレイ®」という遺伝子解析ツールも開発してきました。次世代の医療をつくるためには、さらに大規模なデータを、広い世代に協力を募り、集めることが必要です。そのような活動を認知していただくため、ToMMoは仙台市科学館3階の「生活と科学 ~ワンダーサイエンスルーム~」に常設展示を設置しました。当社は展示の企画・デザインなどを担当しています。誰にでもわかりやすく伝えるため、来館者が小さくなって人の体内を旅するというストーリー性のあるグラフィックやタッチパネルゲームで、細胞やゲノムなどについて紹介し、ToMMoの目指す一人ひとりに合わせた次世代型医療についての紹介をしていきます。「世界で一人のあなた、違うことを大切に」という多くの人に向けたメッセージも表現しています。
本施設は特別天然記念物“アマミノクロウサギ”の保護研究施設です。施設名の「くるぐる」はシマグチ(奄美の方言)で「黒々とした」という意味で、アマミノクロウサギの毛色と、命がぐるぐると循環するイメージを表しています。ここでは来館者がウサギのスケールになって夜の森を冒険することができます。急に飛び出してくる車や巨大な天敵に驚き、自分より背の高い草花をかき分けてブラックライトに反応する森の生き物たちを探していきます。ウサギの視点になることでその気持ちや恐れに気付き、共感を育むきっかけとなるよう設計しています。さらには、保護されたウサギの治療室を来館者に完全公開することで、交通事故などで怪我を負っている現実を提示し、奄美大島の自然に抱かれながら、保護したウサギを野生復帰まで見守り、人とウサギの共生について考える施設となっています。
グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)南館は、55店舗のショップ&レストラン、2つのホテルやオフィス、ウェルネス施設、MICE 施設などの多彩な機能を兼ね備えた複合施設です。最先端の都市型ライフスタイルの先駆けとして、国際色豊かなレストランやショップが出店しています。関西最大級の都市型スパには、天然温泉やうめきた公園を見渡せるインフィニティプールが備わり、ウェルネスハブとして、健康や美容、エクササイズ、リラクゼーションなど高い付加価値を有する体験を提供します。また、地下1階にはグローバルメディア「Time Out」が監修する大規模フードマーケット「タイムアウトマーケット大阪」がオープンしました。
マツダの首都圏におけるブランド体感・交流を目的としたメーカーショールームの、デザイン・設計・制作施工を担当しました。「MAZDA TRANS AOYAMA」の「TRANS」には「変える、越える」という意味があり、「前向きに変わる、そのきっかけになる場所でありたい」という意味が込められています。1階は広島の宮島で創業した伊都岐珈琲(いつきコーヒー)監修のカフェやグッズショップのある、ブランドを体感できる特別な空間、2階はアートの展示や、イベント・ワークショップが開催できる居心地のよい空間となっています。
宮ヶ瀬ダム 水とエネルギー館 ウォーターミュージアム「水道ゾーン」は、出展から20年以上が経過したことで改修が必要となり、開館25周年に合わせてリニューアルされました。展示のコンセプトは「水道用水供給事業」の学習機会創出(水道企業団の役割紹介)および、「水道水」に対する意識変容(水資源の再認識・地球環境学習)です。普段は知る機会の少ない、ダムに貯められた雨水が水道水として家庭の蛇口に届くまでの過程・設備・それらに関わる仕事に対する学びを通して、生活に必要不可欠な水道水への感謝や、社会インフラの重要性について学ぶことができます。また宮ヶ瀬ダムを含めた周辺地域が観光地であることから、メインターゲットは周辺の小学校の社会科見学や、休日に来館するファミリー層としています。大型スクリーンによるガイダンス映像、映像のドローンを操作して水道施設を調査するバーチャルコンテンツ、河川の水を浄化するフローのシミュレーションなど、実写とCGを組み合わせたゲーム性の高いデジタルコンテンツのほか、水道用水供給事業を支える企業団の仕事を疑似体験できる展示によって、目的層・無目的層のどちらでも短時間で楽しんでいただける内容となっています。
約400年前、豊臣秀吉が築いた初代大坂城は大坂夏の陣で落城し、徳川幕府により大量の盛り土で地中に埋められてしまいました。本プロジェクトは、400年の時を経て、豊臣期の石垣を地中から掘り起こして整備し、一般公開を行うものです。地下空間に降りて遺構公開を行う全国的にも類を見ない施設において、徳川幕府が再築した石垣とは異なる豊臣期石垣ならではの価値を伝える展示づくりに取り組みました。豊臣期の石垣と解明するまでの過程や、石垣の特徴、石垣が辿った激動の歴史を追体験できる展示ストーリーと演出を組み立て、さらに地上から地下へ、そしてまた地上へと上下する遺跡見学のプロセスと重ね合わせることで、より特別感のある展示空間としました。また、石垣そのものの見せ方を大切にしながら、映像・照明・音響を連動させた一体的な演出で、遺構本来の魅力を伝えています。
エア・ウォーター北海道様の新施設「エア・ウォーターの森」は「持続可能な社会の実現」と「安全・安心で豊かな暮らしの実現」のために社会課題に取り組むオープンイノベーション施設です。この施設の中にエア・ウォーターグループ様の取り組みの一つである「農業と食」を発信・共有する場として誕生したのが、レストラン・カフェ「エウレカ」です。施設コンセプトである「サステナブル・豊かな暮らし」がレストランでも感じられるよう建築デザインと連携を取って進めた空間は、店名の「エウレカ」(古代ギリシャ語でみつけた!わかった!の意)と同様に北海道の豊かな大地、その大地が育む食材の本来のおいしさをお客さまに見つけてもらえるデザインとなりました。
近代日本を代表する歌人の一人である石川啄木の顕彰と資料保存などを目的として1970年に開館した石川啄木記念館が、玉山歴史民俗資料館を増設しながら2025年にリニューアルオープンしました。啄木の残した「ふるさと」という言葉をコンセプトで2館をつなぎ、啄木記念館では啄木の生きた明治期、歴史民俗資料館では昭和30年代頃を中心としながら、現代の玉山の姿も併せて見ることができる構成としています。石川啄木記念館では空間全体を使い、啄木の生きた26年の人生と、没後から現代までの人々の顕彰活動を巨大な年表として表現しています。年表の下には、その年代ごとの収蔵品、その当時の啄木のことばなどを見ることができます。中央のシンボル展示では、啄木が実際に弾いたオルガンが展示され、その背景の大きなスクリーンでは「啄木の人生」「啄木とふるさと」の2編のオリジナルアニメーションを選択し見ることができます。また、企画展示室や蔵書閲覧コーナーなども設置されています。玉山歴史民俗資料館では、地域の方々から寄贈された民俗資料展示のほか、民俗芸能や自然の姿なども映像や情報検索システムを使って保存され、見ることができます。2館をつなぐ廊下部分では講演会やワークショップが行える多目的ホール、ミニ企画展示などが行える棚展示「つながるたまやま」、収蔵庫の一部をガラス張りにした「見せる収蔵庫」などが配置されています。その窓からは、啄木がかつて暮らした齋藤家住宅、渋民尋常小学校を眺めることができます。
111周年を迎える宝塚大劇場の建物エントランスからロビー(大広間)までの店舗・環境エリア全体のリニューアルです。「夢、ここから」をコンセプトに、これまで育まれてきた宝塚大劇場の魅力を大切に受け継ぎ、この先も多くのお客さまに夢をお届けし、愛され続けるような空間を目指しました。館内に足を踏み入れた瞬間から華やかな宝塚歌劇の世界観に包まれ、夢と感動へと導く “非日常感” “高揚感” を味わえるような空間となっています。内装環境のデザインを統一し、館内全体で宝塚歌劇の世界観を創出することで、観劇前後の時間をより快適に、そして観劇以外のお客さまも楽しめるような空間を計画しました。宝塚歌劇の舞台・ショーの要素や大劇場の建物から、「宝塚らしさ」を表すモチーフを抽出し、現代のデザインとして再構築することで、これまでのファンにより一層愛され、さらには新たなファンも取り込めるよう、これからの宝塚歌劇を見据えたブランド価値向上につながる空間を実現しました。
日本三稲荷の一つである竹駒神社様が地域コミュニティとにぎわい創出のために取り組んだプロジェクトです。当社がハブとしての役割を担い、神社、地域、企業が三位一体となったチームを形成しました。チームで取り組んだことは大きく分けて、「鎮守の杜の整備」「カフェ設置」「地域コミュニティ活性化」「プロモーション」「新しい祭をつくる」の5つです。当社は企画・ロゴデザイン・建築設計・造園デザイン・建設・外構工事・カフェ開業支援・カフェメニュー開発・商品開発・映像制作・広報PRなど全般におよぶ総合プロデュースを行いました。竹駒神社様が市民の生活に欠かせない存在として持続可能なかたちで未来へ紡いでいくことを目指しました。〇総合プロデュース内容①顧客課題抽出 ②課題解決方法立案 ③実施(運営)体制の検討 ④実施(運営)体制の構築(リーシング) ⑤神社・運営者の意見をふまえたデザイン ⑥商品開発(飲食メニュー、販売商品選定) ⑦神社全体の活性化検討 ⑧神社全体のプロモーション映像作成 ⑨CAFÉプロモーション検討 ⑩オープニングセレモニー計画 ⑪各種メディア誘致 ⑫オープン後のPDCA実施 ⑬新しい祭をつくる ⑭世界プロモーション映像を海外へ当社のネットワーク(地元企業中心に)から賛同者を募ることで、独立して可動できる体制を構築しました。
宅地開発から50年が経過し、人口減少と少子高齢化が進む河内長野市日東町・大師町の地域の足として、暫定運行を開始している地域住民主体の移動支援公共モビリティが「クルクル」です。地域の移動を支える交通の運行を地域住民主体で運用するために、参加型のアートワークショップを実施しました。地元中学校美術部員および地域住民の方々と共に、アートを通して社会課題を再認識し、まちの魅力の再発見と、共創による地域住民のまちづくり参画意識の醸成を目指して、「観ル・知ル・創ル」の計10回のアートワークショップを実施しました。
「こち亀記念館」は、漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』を題材とした葛飾区様の亀有地域観光拠点施設です。当社は施設コンセプトから、展示・コンテンツの企画・設計・施工を担当しました。さらに、亀有駅周辺の回遊施策の企画・設計・施工や施設の開館に向けたプロモーション施策の企画など、施設にとどまらない業務範囲を、IPコンテンツ※を熟知した専門チーム・CIC(Content Integration Center)と、地方自治体の観光拠点施設やまちづくりのノウハウを持つ公共事業の施設チームの2チームが、互いの強みを活かして作り上げました。「主人公が勝手に施設を作り上げ、挙句の果て亀有の街に逃げ出した!」というコンセプトの下、漫画のコマが積み重なったような建築、名場面が飛び出した内装、作品の世界観が滲み出た空間デザインで、主人公たちの実存感をつくり出し、来場者が没入できる空間体験を実現しています。訪れた人は逃げ出した主人公を追うように、入口から出口まで一貫した空間ストーリーを体験することで、施設の中で完結せず、同館を起点に街を回遊したくなる仕掛けづくりに取り組みました。これにより、葛飾区および亀有地域の商店街振興・地域活性化にも寄与しています。※知的財産権(Intellectual Property Rights)により保護されるコンテンツ全般を指します。たとえば、ゲーム、映画、アニメーション、マンガ、小説、音楽、キャラクターなどが、IPコンテンツに該当します。
お問い合わせ/お見積もり依頼/資料請求は下記よりお気軽にご連絡ください。お問い合わせの多いご質問や、よくいただくご質問は別途「よくあるご質問」ページに掲載しておりますので、ご活用ください。
当ウェブサイトでは、お客さまの利便性の向上およびサービスの品質維持・向上を目的として、クッキーを利用しています。クッキーの利用にご同意いただける場合は、「同意する」ボタンを押してください。詳細は、プライバシーポリシーをご確認ください。