愛知県山間部の豊かな自然に育まれた「設楽町奥三河郷土館」は、旧館のメッセージ「ふるさとのくらしとこころを伝える」を継承。新設の道の駅したらに併設し、まちづくりの中核施設として一新しました。大正期から収集してきた地域の宝、数多の貴重な資料で展示空間を埋め尽くしています。設楽町産の桧材格子組をモジュールにした、更新が容易な格子の展示空間は、将来にわたって地域固有の空間インフラとして活用が可能です。
来館者は、豊かな森の情景から生きものの多様性、考古・歴史をたどり、民俗の豊富なコレクションに包まれ、いまも受け継ぐくらしの知恵を知ることができます。作り手と使い手の関わりから、行動と意識変容のリレーションを生み出し表現することで、持続可能なライフスタイルへの気づきを目指しました。
【社会課題/お客様の課題/ご要望】
1)町の総合計画、森づくり計画に位置付けた、設楽町産材の利用拡大による施設づくり
2)旧郷土館の老朽化に伴い、継承してきた数万点にも及ぶ資料展示と充実した展示環境
3)南の玄関口に立地し、北部や域内資源への案内、フィールドミュージアムとしての再生
4)旧郷土館の手づくりの展示物の再利用、受け継がれてきた“結”の精神の可視化
5)国指定重要無形民俗文化財「田峯田楽」をはじめとして地域資源の映像アーカイブ化
【解決策】
設楽町の指針に沿った奥三河郷土館の展示室は、設楽町産の桧材を現地調達して格子組に加工し、設えています。展示物である民俗資料は、江戸~大正・昭和期当時の木材による自作した民具コレクションを守り受け継いでいます。100年の時を超えてつながる人びとの豊かな森への意識や価値を考え、メッセージする地域固有の空間としてデザインしています。
展示は、豊かな森の情景再現ジオラマから始まり、生きものの多様性・地質などの自然史、考古・歴史をたどることで地域の資源を知るとともに、民俗では往時のくらしをシーン造形で再現。“結”の精神を表現し、民具コレクションを活き活きと感じさせています。展示により「ふるさとのくらしとこころ」に触れ、厳しい山間部を生き抜いた先人たちの知恵と工夫を伝えています。
【お客様の声】
旧館の「ふるさとのくらしとこころを伝える」の継承、分かりやすい展示テーマ構成、展示の更新性、設楽町産材の活用など、多肢にわたる課題を貴社の豊富な経験と技術によって実現していただきました。
<当社プロジェクトメンバー>
【営業・プロジェクトマネジメント】栗田 徹也、髙井 照子
【デザインディレクション】志水 俊介
【企画・デザイン・設計】井戸 幸一、宮越 庸一、遠藤 信之
【制作・施工】高橋 浩一郎、末崎 武
- オープン
2021
- 所在地
愛知県
- クライアント
設楽町様
- ソリューション
企画、デザイン・設計、サイン・グラフィックデザイン、什器制作、環境演出装置設計・制作、映像および造形コンテンツ設計・制作、制作・展示施工
- 受賞
「日本空間デザイン賞2021」サステナブル空間賞
「日本空間デザイン賞2021」LognList(C・08.博物館・文化空間)
「第40回ディスプレイ産業賞(2021)」入選(文化・公共施設)
「ウッドデザイン賞 2021」ウッドデザイン賞 (ソーシャルデザイン部門)
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