パナソニックグループパビリオン「ノモの国」は“Unlock your nature”をコンセプトに、感性を分析する技術と五感を揺さぶるような体験を通して子どもたちの可能性を引き出すパビリオンです。パナソニック ホールディングス様の最新技術を活用しながら、自然の地面を歩くような触覚を引き起こすタイルやメタリックな質感を持つ天然木の仕上げ、3Dプリントと融合したデザイン手法を用いることで、「ノモの国」の世界観に調和した空間デザインを実現しました。タイルの再利用性や生分解性樹脂プリントをはじめ、サステナビリティにおいても先進的な設計施工手法をとりいれながら、子どもたちの未来のために何ができるかを軸とした空間・体験デザインアプローチを行いました。
「ノモの国」というオリジナルの物語をベースに子どもたちの感覚と感性を呼び覚まし、可能性を解き放つ空間をデザインすること。技術やサステナビリティを展示的に説明するのではなく、物語の世界観の中で違和感なく表現すること。さらに会期の終了後も見据えたサステナブルな設計を行うことが求められました。
子どもたちが自身の感性や可能性に気付くという抽象的な課題に対し、複数感覚への刺激とテクノロジーを融合させて物語体験を生み出す設計で応えました。体験行動をセンシングし、無意識の動きから導かれる“その子らしさ”を解析し、その結果として導かれる可能性の物語を提示しました。音・映像・振動を組み合わせたクロスモーダルな刺激や、身体性を引き出す動線設計、透明OLED(有機ELディスプレイ)などの最新技術を使いつつ、世界観に自然に溶け込ませることで、子どもたちが自ら感じ、気付くための新しいアプローチを形にしました。さらに、多様な子どもたちが平等に感覚的・身体的な体験を享受できるよう、包括的設計(インクルーシブデザイン)の原則に基づき、DEI※の視点からのワークショップを行い、空間構成や素材の選定、体験設計に丁寧に反映させていきました。
また、サステナビリティやサーキュラーエコノミーの視点を踏まえた設計構築プロセスに取り組んでいます。
・過剰な装飾や内装材の使用を避けるため、空間のボリュームや演出効果を綿密に設計し、関心を中央や床面に導くことで、壁面や天井に対する装飾的要素を削減し、環境負荷の低減を行っています。
・コンピュテーショナルデザインの手法を活用し、制作過程で発生する端材や中間材料の削減に取り組みました。具体例として、ファサードと連動したモチーフであるリーフ造作は、一般的な機械で加工可能な曲線に分割設計し、材料の無駄を抑えています。加えて、生分解性樹脂で構成されたリーフメッシュは、中空性の高いデザインにより光と影の繊細な表現を実現しつつ、原料の使用量そのものを抑え、細かく分割可能な形状は表面積を大きくすることに貢献し、素材の生分解性能を引き出します。
・再利用可能な素材と施工手法を積極的に採用しています。足元からの身体感覚を刺激するための特注モザイクタイルは、取り外し可能な下地パネルに施工されており、経済寸法単位での解体と再利用が可能です。また、3Dプリント造作についても、展示終了後に再ペレット化し、別用途への変換を視野に入れた循環的なデザインとしています。
※DEIとは、「Diversity(ダイバーシティ):多様性」「Equity(エクイティ):公平性」「Inclusion(インクルージョン):包括性」の頭文字
- オープン
2025
- 所在地
大阪府
- クライアント
パナソニック ホールディングス株式会社様
- ソリューション
企画・基本構想、デザイン・設計、サイン・グラフィックデザイン、什器制作、環境演出装置設計・制作、コンテンツ設計・制作、制作・展示施工、制作・内装施工、保守管理
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