佐川 桃子(さがわ ももこ)
大学で空間デザイン、大学院でプロダクトデザインからまちづくりまで幅広く学び、2019年に営業職として入社。営業部門での現場経験を経て、現在は経営戦略室で短中期の経営戦略の策定や、経営層に対する支援などに携わる。
2019年入社の佐川 桃子。営業部門での現場経験を経てキャリアチェンジを果たし、現在は経営戦略室で短中期の経営戦略の策定や経営層に対する支援などに携わっています。デザインの力を信じ、キャリアを通じて相手の視点に立った課題解決に取り組んできた佐川。乃村工藝社だから描けるビジネスの未来図を語ります。
佐川が所属するのは、経営戦略室。短中期経営戦略の策定や役員の意思決定支援などを主に手がけています。
佐川「私たちのミッションは、社会、産業、お客さま、競合他社、そして全てのステークホルダーの動向を捉えて当社の置かれている環境を俯瞰的に分析しながら、経営戦略を立案することです。
その際には、社内の現状と、外部環境の変化を踏まえて当社のあるべき姿を考え、適切な対応策を検討し実施することで、経営に貢献することを目指しています。経営戦略室が設立されてまだ数カ月。中長期の経営戦略を担う経営企画室はもちろん、事業部門も含めた社内のさまざまな部署と密に連携しながら取り組んでいます」
経営戦略室を構成するのは、営業、事業企画、ディレクター(制作管理)など、多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルたち。それぞれの専門性を活かしながら業務にあたっています。
佐川「私は現在、社内でもっとも組織規模が大きい営業推進本部を担当しています。営業推進本部は、一つひとつの空間づくりをお客さまとともに進める役割を担っています。その事業強化を主導している執行役員や各事業部の戦略と取り組みを理解し、それを踏まえてどう全社としての事業を発展させていくかを検討することが主な業務です。
データマネジメントも重要な役割のひとつで、蓄積したデータの効果的な活用方法や精度向上にも取り組んでいます。
戦略立案の初期段階では主に執行役員を含む経営陣とのやりとりが中心ですが、具体化のフェーズでは各事業部長やチームメンバーと綿密なコミュニケーションを取りながら進めています」
入社6年目を迎える佐川。キャリアを通じて大切にしてきたのはデザインという考え方です。
佐川「デザインとは単に図面を描いたり設計したりすることではなく、人の心や感性に向き合いながら問題の本質を捉えて解決策を見いだすプロセスだと考えています。こうしたデザイン思考は、あらゆる業務に適用可能だと思いますし、普遍的な価値観として、私の仕事の基盤となってきました。
例えば、データはファクトを示すものですが、それは意思決定のためのひとつの要素に過ぎません。相手との対話の中で、言葉に含まれる真意やその真因、背景を理解することを重要視しながら、一方でファクトも捉えることで、現状を正しく理解することができ、問題の本質に対して最良の判断をすることができると信じています」
佐川がデザインに関心を持ったのは、高校生のころ。きっかけは、父親から贈られた一冊の本でした。
佐川「デザインの仕事をしている父がくれた『エネルギー問題に効くデザイン』という本を通じて、思考そのものがデザインであり、それがさまざまな社会課題を解決する手段になり得ることを知りました。それまで、デザインはセンスのある一部の人の領域だと考えていたので、大きな衝撃を受けたのを覚えています」
その後、大学で空間デザインを、大学院でプロダクトデザインからまちづくりまで幅広く学んだ佐川。卒業後、ゼロからイチを創造する仕事ができる環境を求めてたどり着いたのが、乃村工藝社でした。
佐川「ほかの業界と迷った末、ディスプレイ業界を選びました。より人々の生活に近く、接点の多い空間づくりに携わることでたくさんの人の心を動かすことができると考えたからです。
中でも乃村工藝社を選んだ理由は、前例のない新しいことに挑戦できる可能性があると感じたから。前例のないような企画であっても、お客さまのために革新的な提案ができて幅広いデザインに取り組めるのは、業界トップの地位にあるからこそ。提供できる価値の幅広さは非常に魅力的でした。
組織風土に惹かれたことも入社を決めた理由のひとつです。面接では学生と面接官という関係を超えて、人対人としての対話ができたことが印象に残っています。会話を通じて、自由さやフレキシビリティ、カスタマーファーストの姿勢が強く伝わってきたことが印象的でした」
入社後、佐川は営業部門へ。自ら希望した配属先でした。
佐川「お客さまと直接対話し、課題の本質を深く理解した上で、空間の設計・デザイン業務以外の側面からも価値提供できるポジションに就きたいと考えたからです。
また、私の強みである建築やデザインの知識を活かし、お客さまのご要望を細かく理解した上で社内のディレクター(制作管理)に作り方を相談したり、デザイナーの意図を咀嚼してお客さまにできるだけ分かりやすく説明したりと、いわば通訳のような役割を果たしたいとも考えていました」
約4年にわたって現場経験を積んだ佐川。学んだのは、相手の立場に立つことの重要性でした。
佐川「お客さまによって空間づくりへの理解度はさまざまです。図面を読める方もいれば、そうでない方もいます。お客さまの特性に応じて、イメージ図を添えた資料を作成したり、見積書に概要をまとめた別紙を添付したりするよう心掛けていました。
単にご要望通りの図面を提出するだけではなく、担当者の方が社内へ持ち帰ったときに説明しやすいように配慮して取り組むことも意識していました。営業としてお客さまが本当に必要としていることに寄り添う経験は、現在の業務にも活かされています」
営業職では商業系を中心にさまざまな案件を担当した佐川。「商業施設士」の資格を取得するなどプロジェクトの成功に向けて尽力しました。
佐川「全国展開する業態の店舗でも、地域特性や顧客属性、店舗の特徴に応じて緻密なカスタマイズが求められます。できる限りの知識でお客さまの課題解決に寄り添いたいと思い、商業施設の設計・計画から店舗運営、マーケティングなど、幅広い知識の習得に努めました。
その結果、お客さまからパートナーとして信頼いただき、空間プロデュースのプロフェッショナルとして意見を求められることに、とても大きな責任とやりがいを感じていました」
さらに業務をきっかけに事業戦略や経営の知識も深めた佐川。組織に貢献したいという意欲が、キャリアの大きな転換点につながりました。
佐川「コーポレート部門の業務に、営業経験や現場視点を取り入れることで、より全社が一丸となってチームワークを発揮することができないかと思ったことをきっかけに、自己申告制度(※)を活用して経営戦略室(旧事業戦略部)への異動を希望しました。
経営戦略室には実務経験者が多く在籍していますが、全社的な戦略強化の流れの中で、若手人財の視点が必要とされていたことが、私の自己申告の希望が受け入れられた理由だと思っています」
原動力となったのは、「誰かの役に立ちたい」という想い。これまで育ててくれた先輩方やお客さま、そしてその先にある社会に向けての気持ちが佐川を駆り立ててきました。
佐川「私は『誰かのため』となると気持ちが入る性格。営業時代はお客さまに向けられていた気持ちが、現在は会社や同僚に向けられているだけで、根本的には何も変わっていません。
経営戦略室への異動後、関わる人の範囲が格段に広がりました。営業時代は、物件が竣工してお客さまやエンドユーザーの笑顔が見られたり、感謝の言葉をいただいたりするのがとてもやりがいがありましたし、お客さまを通じて社会にも影響を与えられるポジションだったように思います。
いまは自分の携わった施策等が、社員の方々や会社の意思決定に少しでも役立っていると思うと同じようにやりがいを感じますし、数多くの社員の方々が以前の自分と同じように、お客さまを通じて社会への影響を生み出していると思うと、間接的ですが影響力がとても広がっているなと感じています。その分、やりがいと同時に、大きな責任を感じますし、できるだけ早く良い影響を提供したいという思いで業務にあたっています」
経営戦略室に異動して1年以上になる佐川。営業時代の経験が現在の職務に大いに役立っていると言います。
佐川「これまでは現場が労力を費やして収集した貴重な情報を、集積するだけで業務に十分活用されていないという課題がありました。そこで、現場の社員が収集したデータを自動的に見える化し、入力者自らが実務に活用できる仕組みを提案し、データ活用ツールの開発を実装しました。
結果として、社員の生産性向上と戦略立案の質的改善が実現し、事業部門をはじめとする多くの関係者から高い評価をいただきました。営業時代に培った現場目線も発揮できて、非常にうれしかった経験です」
※ 自己申告制度 :キャリア開発の一環として勤続3年目以上の社員を対象に部署異動の希望を出せる制度
全社一丸となって同じ方向に進むための指針を示し、旗を振るのが戦略部門として目指していきたい役割のひとつです。経営戦略室の一員として、佐川にはかなえたい未来があります。
佐川「コーポレート部門の活動内容は、事業部門から見えにくいように感じています。透明性を高めて私たちが事業部門と同じ方向を向いていることを可視化し、会社全体が協力し合う姿勢を社員一人ひとりが実感できるような組織づくりを目指しています」
それが実現できるのは、乃村工藝社だからこそ。同社の魅力とあるべき姿について、佐川は次のように話します。
佐川「乃村工藝社の最大の魅力は、前例のない課題に対してチームワークを発揮し、独自のアプローチで革新的なソリューションを生み出せる点にあると思っています。周囲を見渡してみても、これほど面白いものづくりで社会貢献している企業はなかなかないのではないかと自負しています。この創造的な課題解決能力こそが、当社の競争優位性の源泉だと考えています。
お客さまに空間を提供する事業部門の各社員が楽しく幸せに働きつづけられる環境づくりを私たちが先導し、もてる力を存分に発揮できる場を整えることができれば、組織としての可能性は今以上に高まり、より豊かで幸せに満ちた空間をお客さまに提供し続けられると信じています」
これからも佐川はデザイン思考を駆使し、課題の本質を見据えながら、乃村工藝社の進化と新たな価値創造を支え続けます。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです
大学で空間デザイン、大学院でプロダクトデザインからまちづくりまで幅広く学び、2019年に営業職として入社。営業部門での現場経験を経て、現在は経営戦略室で短中期の経営戦略の策定や、経営層に対する支援などに携わる。
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