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街に新しい価値を──商業施設を起点に乃村工藝社プランナーが描く「未来の街」づくり

学生時代から街づくりに興味を持っていたという渡会 ちひろ。2007年に入社し、開発営業・リーシングを経験した後、複合開発や商業施設などを手掛けるプランナーを務めています。関わる人たちと丁寧にコミュニケーションをとりながら、未来の街を描いていく、夢あふれる仕事。そんな渡会のキャリアと想いを紐解きます。

 

大規模な案件を多数担当。重要なのは「小さな判断の積み重ね」

クリエイティブ本部 プランニングセンター 企画2部に所属する渡会。部長として20名ほどのメンバーをまとめながら、同時に現場でも活躍しています。企画2部が担当するのは、複合開発や商業施設・スポーツエンタメ分野・官民連携による公共施設・地域創生など、多領域に関わるプランニング。あらゆる分野の場づくりから仕組みづくりにまで、日々向き合っています。

プレイヤーとして現場で活躍しながら、部長としてどのプロジェクトにどのメンバーをアサインするのかを決めたり、メンバーが推進する業務のフォローをしたりする日々。業務の中で大切にしているのは「小さな判断」を大事にすることです。

渡会  「私の部で扱う案件の傾向は、規模の大きな開発が多いこと。大きければ大きいほどプロジェクトの完成までには多くの時間がかかります。2030年以降に竣工を迎える、先の長い案件もたくさんあります。

自分たちがやってきたことがすぐにかたちにならないとか、さまざまな事情で最後まで伴走しきれないとか、焦りやもどかしさを感じることもありますが、どんな大きな仕事も小さな判断の積み重ね。一つひとつの検討や決断を、丁寧に積み上げていくことを意識しています」

小さな一歩が積み重なることで、最高の仕事へとつながっていくのです。

渡会  「当社の仕事に共通して言えるのは、唯一の正解がないということ。同じ課題や目的でも、アプローチの手段や方法・提案のパターンは無数にあります。お客さまとの対話を通しながら、チームみんなで最適解を模索していく共同作業なのです。

どんな案件に対しても、毎回オーダーメイドで新しく考え続けなくてはならないので、大変です。でもそこが面白いポイントでもあります。みんなで意見を交わすうちに、少しずつ最適解に近づいていく感覚が面白いし、やりがいを感じるところです」

 

街の活性化を目撃した大学時代。街づくりの仕事に可能性を感じた

▲「東京ソラマチ」ⒸTOKYO-SKYTREETOWN

大学・大学院では都市計画系の学科を専攻。地域再生をテーマにした研究室で、街を活性化するためのアプローチを考えていました。

渡会  「研究活動で通い詰めた街で目撃した、忘れられない光景があります。都心部の中小のオフィスビルが立ち並ぶ雑然とした街の一角に、ある日1軒のカフェができたんです。店主の人柄や、開放的で洗練された雰囲気もあって、そのカフェを中心に新しいコミュニティが生まれ、周辺にも新しい店ができ、街が少しずつ活性化していきました。

周辺のマンション開発によって居住者が増え、働くだけの場から生活の場へと、街が変化する過渡期のことでした。倉庫だったビルの1Fを、街の誰もが集える場にしたいというビルオーナーさんの強い想いがあってようやく実現した店だったと、後になって知りました。自分の街に対する想いに感動したと同時に、店という存在が持つパワーを実感した出来事です。街にポジティブな変化を生める仕事をしたいと、強く思うようになりました」

街づくりに関われるプランナーになりたい。希望を胸に就職活動に飛び込み、乃村工藝社と縁を結びました。

渡会  「乃村工藝社の面接で特に印象的だったのは、風通しの良さ。みんな自然体で、役員もまったく気取っていなくて、立場に関わらずみんながすごくのびのびとしていて魅力的でした。また、OB訪問で、先輩の仕事内容を詳しく見せてもらったことも覚えています。

いろいろな企画書をもとに、エリアの特性をどう読み解いたのか、街にどんな要素が必要か、どんな利用シーンを想定して企画やデザインをしたのか、一連のストーリーを丁寧に教えてもらいました。これこそ自分がやりたい仕事だと感じましたね」

入社後は、営業開発部門で2年間プロジェクトに関わりました。

渡会 「最初の仕事は、東京スカイツリーの足元にある商業施設『東京ソラマチ』の基本構想業務でした。新人だったので何ができるわけでもなかったのですが、そばにいてみんなが仕事にかける熱量に圧倒されました。社内外のあらゆる関係者が集まって定例会議を繰り返す日々。その中心にいた営業の先輩は、まるでオーケストラの指揮者のようでした。

状況を俯瞰し課題を見極め、先回りして打つべき手立てを判断する、それに呼応するようにプランナーやデザイナーが動く。チームで動くってこういうことなんだ、と強く印象付けられた経験です」

2年間営業を経験した後、2009年からはテナントリーシング部門へ。

渡会 「テナントリーシングとは、デベロッパーと共に、それぞれの商業施設に適した集客・収益面での戦略を立て、その実現のために最適なテナントを誘致する仕事です。商業施設はテナントの力なしには成り立ちません。一社一社と丁寧に会話を重ね、誘致交渉を行います。

リーシング部門では、若手であっても商談には一人で臨むことが常でした。相手は社長や店舗開発の責任者など、当時の私とはとても比較にならないほど経験も知識も豊富な方々。当然最初は怖さがあったのですが、自分の言葉で想いや戦略を伝え、相手からはブランドのコンセプトや未来の展望を伺い、とじっくり対話を重ねる時間が次第に大好きになっていきました。たくさん失敗もしたけれど、その分多くの学びと度胸を得られた期間でした」

 

都心部におけるエリアの再開発案件にジョイン。業務全体を俯瞰しながら調整を重ねた

育休・産休を経て、2018年からはプランニング部門に異動。東京都心部、地方都市など、さまざまなエリアの商業施設やエリア活性に携わる案件に関わってきました。最近担当している大きな仕事は、某東京最都心部におけるエリア再開発です。

渡会  「ここは、向こう4~5年にわたって駅周辺での大規模再開発が続くエリア。商業・オフィス・ホール・ホテルなどのあらゆる都市機能を複合した高層ビルが複数計画されているのですが、そのうちのいくつかの案件における低層にぎわいゾーンの基本構想に携わっています。

また、一つひとつがどうあるべきかだけでなく、それぞれの開発がどう役割分担をしてエリア全体を活性させていくのか、商業のマスタープランづくりにも関与しました。各案件を担当する関係部署の方々を集め、二十数人と喧々諤々やりました。いろんな人が、いろんなベクトルを向いている状態なので、最初はかなり大変でしたよ」

はじめはバラバラだった人たちがまとまっていく姿に、渡会は大きなやりがいを感じたといいます。

渡会  「先の長い開発なので、この先方針は変わっていくかもしれない。けれど、いま想うビジョンを言語化して、一旦それに沿って進めてみる。進めながら調整する。そんな動きを促す素地をつくれたことに、手応えを感じました」

 

「無限の芸風」をいかに生かすか。プランナーのアサイン業務にも注力 

学生時代に夢見ていた、街づくりのプランニングに関わる日々。難しい案件も多いですが、これからも真摯に向き合います。

渡会  「商業施設は営利事業ですが、街にあらゆる人の居場所をつくるという意味では、とても公共性の高い事業でもあると思っています。例えば、孤独などの社会課題に対するアプローチや、子どもを地域で見守る共育て、地域独自の魅力や資産を生かした取り組みなど、地域の中心点として求められる役割を持った施設づくりを行ってみたいです」

これからもメンバーを鼓舞しながら、歩みを進めます。

渡会  「当社にはいろんなキャラクターの社員、いろんな芸風を持った社員がいます。600人クリエイターがいるので、2人集まれば36万通り、3人集まれば2億通りのアウトプットが出る。社内では、『無限の芸風』という言葉で語られます。

だからこそ、どんな業務にどんなタイプのメンバー構成で挑むのかがとても重要。より良い成果を生むマッチングに向け、タレント事務所の敏腕マネージャーのように振舞えたらいいなと思っています」

部署だけでなく、会社全体のさらなるアップグレードも目指します。

渡会  「いまでこそ子育てをしながら働くプランナーが大分増えましたが、私が育休復帰した当時はこの部門で唯一私が働く母。だからこそ、これから子どもを持つことになるかもしれない後輩たちが、“自分もできそうだな”と思える働き方をしたい、とは常々思っていました。過度に頑張り過ぎることも、変に抑制し過ぎることもなく、普通に頑張って、普通に活躍できるような。それをサポートするためにまだまだできることはたくさんある。業務の効率化や仕組み化などの環境整備にトライしたいです。

またビジネスの面では、プランニングをもっと高く売り出せる工夫もしたいです。アウトプットの質量に対して、コスパが良過ぎる業務も多いと感じています。乃村工藝社のプランニングの価値と意義を正しく理解してもらい、社会からの評価につなげていきたい。プランナーのポジションをもっともっと上げていければと思っています」

豊かなアイデアと思考力で、街をつくる仕事。たくさんの人を巻き込みながら、これからもワクワクする未来を実現していきます。

 

※ 記載内容は2023年12月時点のものです

 

渡会 ちひろ(わたらい ちひろ)
 

大学・大学院で建築やまちづくりを学び、2007年乃村工藝社入社。以来、商業・集客施設のプランニングやリーシングを手掛ける。近年は都心部の大型複合商業開発や商業マスタープラン策定など、開発の川上段階から多くのプロジェクトに関与。

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