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お客さまとクリエイターをつなげる橋渡し役──個の魅力を最大限に活かせるプロデュースを目指して

新設されたビジネスプロデュース本部で新領域のプロジェクト開発を手掛ける二ノ宮 由香子。さまざまな業界の新しい空間づくりに意欲的なクライアントをサポートしています。彼女の仕事におけるこだわり、お客さまとクリエイターをつなげる“橋渡し役”として目指す姿に迫ります。

 

自身の感性や意見も、乃村工藝社の商品。代替できない存在であるために

ビジネスプロデュース本部に期待される役割は、中長期を見据えた活動を通じて、乃村工藝社グループの持続的な事業繁栄を促していくこと。中でも、二ノ宮が所属する新領域プロジェクト開発部は、クライアントとともに新規事業を創出したり、クライアントが新しい領域に進出する際の事業開発を支援したりするチーム。クライアントは、金融やメーカー、医療機関など多岐にわたります。

二ノ宮 「たとえば、飲料業界の案件では、ある企業が運営する施設のプロデュースを担当しました。施設のオープンから3年経った2023年1月現在は、見えてきたオペレーションやブランド戦略の課題を洗い出して、商品の売り方や接客の仕方を含めたリニューアル企画にも携わるなど長期的に支援しています。

また、ある病院からは、『病院をもっとオープンな、“健康テーマパーク”と呼べるような地域の交流拠点にしたい』とのご依頼をいただきました。商業施設やテーマパーク、文化施設などのプロデュースで培った乃村工藝社のノウハウを活かし、企画からサポートしています」

プロジェクトごとにチームは編成されますが、二ノ宮はプロジェクトリーダーとして、プロジェクトに最適なプランナーやデザイナーをアサインしチームビルディングに努めながら、事業や企画を提案し業務を軌道に乗せて確立させる川上部分のプロジェクトマネジメントを担っています。

二ノ宮 「お客さまと関係性を築いたり、新しい仕事のチャンスを得たりするためにはどうすべきかを考えたりすることも役割のひとつです。

また、デザイナーやプランナーをどう売り出すかも常に考えていて、『あなたにはこのプロジェクトでこんな役まわりを担ってもらいたい。だから、こうしたパフォーマンスを心がけてほしい』といったリクエストを伝えることもあります」

クライアントとチームメンバーのいわば橋渡し役を務める二ノ宮。とくにクライアントに対しては、発注者/受注者の関係ではなく、人対人のコミュニケーションを心がけていると言います。

二ノ宮 「クライアントから明確な要望が寄せられるケースもあれば、当社へ企画・設計を依頼する前段階に必要な社内調整や対応方法について相談されるケース、ゼロからともに新規事業を開発するケースなどさまざまです。すでに与件がある場合でも、イエスマンになるのではなく、お客さまが認識していない課題を拾い上げたり、世の中のニーズやお客さま、エンドユーザーの潜在意識を探ったりすることを心がけています」

世の中の潮流を捉えるべく、常にアンテナを高く張って情報収集に努めていると話す二ノ宮。もうひとつ大事にしていることがあります。

二ノ宮 「自分はどうしたいのか、どんな社会であってほしいのかといつも自問し、自分の意見をクライアントにも伝えるようにしています。そうしないと、単なる営業担当としてしか見なされず、ある程度の信頼関係しか築けないからです。

私自身も乃村工藝社の商品だと思っているので、私の感性や想いを伝えることも仕事のうち。そうすることでお客さまと“真の対話”ができるようになると考えています」

 

パブリックな仕事も手がけられると知り、乃村工藝社への入社を決意

学生時代は、イタリアの大学で建築やデザインを学んだ二ノ宮。帰国後、照明設計会社、展示キュレーション会社、外資系インテリアデザイン会社を経て2014年に乃村工藝社に入社しました。

入社のきっかけは、3社目の取引先から「二ノ宮さんは乃村工藝社が合うと思うよ」と勧められたことでした。ただ最初は、自分がやりたいことが乃村工藝社でできるのか、不安があったと振り返ります。

二ノ宮 「もともと私は、まちづくりなどのパブリックな仕事に携わりたくて、照明設計会社に勤めていたときも都市景観や公園等外構の照明計画を担当していました。たくさんの方に影響を与えられるような仕事に魅力を感じていたんです」

乃村工藝社は商業空間の内装デザインに特化した会社だと捉えていた二ノ宮は、自分に本当にふさわしい職場なのかどうかわからなかったと言います。

やがて、乃村工藝社が博物館や美術館、学校、病院などパブリックな施設の内装やまちづくりに関わるプロジェクトも多く手がけていることを知った二ノ宮。自分のやりたいことが実現できる環境が乃村工藝社にあると確信し、入社を決めます。

二ノ宮 「最初に配属されたのは博覧会準備室でした。ミラノに長期で赴任して、ミラノ万博日本館のプロジェクトに参加。帰国後はさまざまな展覧会のプロデュースを担うチームで、日本企業が海外展示会出展に出展する際の企画やサポート業務に携わりました」

海外の施工会社とやりとりしながら準備を行い、展示会があるたびに海外の展示会場に出向く日々を過ごす中で、今でも記憶に残る出来事がありました。

二ノ宮 「日本の大手航空会社が、海外での認知度向上を目的にアメリカでの展示会に参加したときのことです。ブースのデザインやディスプレイはもちろん、運営や接客も経験したのですが、現地の子どもから大人までたくさんの人が来場し、日本や日本語に興味を持ってくれたんです。普段なかなか知る機会のないエンドユーザーの反応をじかに感じられたことが嬉しかったと同時に、企業のプロモーションにとどまらない、日本文化の代弁者のような役割を果たせたような気持ちになりました」

 

ヘルスケア・ウェルネス領域のプロジェクトに参画。健康維持をメンタル面から支援

▲チームメンバーと社内ミーティング

現在、二ノ宮はヘルスケアやウェルネス領域のプロジェクトに多く携わっています。

二ノ宮 「これからの日本において重要かつ、市場として伸びしろもあるヘルスケア領域の案件に、乃村工藝社としてもっと携わっていけたらという話を2018年ころから同僚としていたんです。上司やプランナーとも雑談の延長線でそうした話を重ねていく中で、定期的なミーティングに発展し、『この領域を知るためには、こういったステークホルダーと接点を持つ必要があるのではないか』と具体的な話になり、次第にどう事業化していくかを考えるようになっていきました」

こうして、デザイン部、プランニング部、営業部などから集まった20名ほどのメンバーで構成されるチームが発足しました。

ヘルスケアやウェルネス領域のプロデュースというと、フィットネスジムやランニングステーションなど、身体を動かすための空間づくりという印象を受けるかもしれません。しかし、二ノ宮は、フィジカル以外の角度から、乃村工藝社としてヘルスケアやウェルネス領域に貢献できる可能性を模索しています。

二ノ宮 「健康のためには、フィジカルと同様にメンタルへの配慮も欠かせません。とくに、知的好奇心の充足度合いが、心の健康に大きな影響を及ぼすことが科学的にも立証されています。学びに意欲的で、知的好奇心が旺盛な人ほど健康に長生きできることを知って以来、知識や教養を育むための企画や空間づくりに注力していきたいと思うようになりました」

こうした発想は、現在も携わっているシニアレジデンスの開発案件の中で生まれたものでした。

二ノ宮 「入居者が健康になれる家づくりを目指すクライアントから、カルチャースクールやアクティビティができる場所をレジデンス内につくりたいとの要望があったんです。入居される方々について調べたり考えたりする中で、ただ体操ができる場所を用意するのではなく、どのような活動や習いごとを通じて知的創造性を育むかが課題だと感じるようになっていきました」

ヘルスケア領域に関する引き合いは増えており、現在も“知の開発”の実現に向けて奔走中だという二ノ宮。

二ノ宮 「商業施設が入ったあるオフィスビルの所有者様からは、『健康をテーマにしたビルにしたい』との依頼を受けました。フィットネスジムなどがまっさきに思い浮かぶところですが、あえて博物館やアートギャラリーといった文化施設の誘致を提案したんです。アートとの出会いがきっかけとなってそのビルで働く方の人生の幅が広がり、ひいてはそれが健康につながるという考えにクライアントも共感してくださって、目下、アートギャラリーの誘致を検討しているところです」

ヘルスケアやウェルネス領域の案件に携わるようになってから、二ノ宮は自身の健康にも気を配るようになったと言います。

二ノ宮 「ヘルスケア領域を担当するからには自分も健康にならなければと思い、2020年ころから食事と運動と睡眠の管理をしっかり行うなど、普段の生活でも健康を追求しているんです。日々の生活の中で感じたり学んだりしたことがすべて仕事に反映され、仕事で学んだことがプライベートの生き方に反映されるという具合に、良い循環が生まれています」

 

プランナーやデザイナーが個の力を最大限に発揮できる環境づくりを目指して

幅広い案件で空間のプロデュースを担当してきた二ノ宮。乃村工藝社で今最も実現したいことは、“プランナーやデザイナーの魅力を最大限に発揮すること”だと語ります。

二ノ宮 「クライアントのニーズにマッチしたプランナーやデザイナーを適材適所にアサインできるような、橋渡し役ができるプロデューサーになりたいんです。クライアントとクリエイター、さらに自分も加わって一緒にクリエイションする気概で、強固な関係性とチームビルドを築けるよう努めています。最適なマッチングを実現させることで、クリエイターの仕事に対する理解向上にもつながると思っています」

そして今、二ノ宮の視線の先にあるのは、世界。乃村工藝社の名が、広く人の知るところとなる未来を思い描いています。

二ノ宮 「アジア経済が発展する中で、世界を舞台に乃村工藝社が貢献できることはたくさんあるはずですが、まだまだやり切れていないと思っています。乃村工藝社のクリエイターは十人十色。思考回路や発想がユニークでクリエイティビティが高く、『こうしたい』という明確な意志を持っている人が多いんです。私を惹きつけてやまないそんな彼ら、彼女らが、日本や世界でますます活躍できるように、魅力を発信していきたいですね」

 

 

二ノ宮 由香子(にのみや ゆかこ)
 

イタリアで建築・デザインを学び、建築照明デザイン事務所にて照明デザイナーとして勤務。ギャラリー兼キュレーション会社、外資系インテリアデザイン会社を経て2014年乃村工藝社入社。 海外現場及び外資系のプロジェクトマネジメントに従事し、並行して開発部も兼任。特にウェルネス領域で新規プロジェクトを創発。

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