紀伊國屋書店様におけるおもてなしの場となるサロンを、旗艦店である新宿本店ビルの最上階に復活させるプロジェクトです。
1964年のビル建設当時、創業者である田辺茂一氏によって文壇の社交場となるサロンがつくられました。
その後時は過ぎ、失われてしまったその空間を現代によみがえらせるべく、2021年から2023年まで行われた新宿本店リニューアルに引き続き、今回新たなプロジェクトとして、当社はデザイン・設計、制作・施工などを担当しました。
紙媒体の書籍やECではないリアルな書店の斜陽が話題になる近年、書店業界のリーダーとして「創業の地である新宿で、書籍づくりに携わる人々や書店業界を支える人々が集い、交流することのできる場をつくり、書店業界を盛り上げていきたい。」ということが、2027年に100周年を迎える紀伊國屋書店様の想いでした。
新宿本店の事務所フロアの一角、140㎡という狭小な空間を使って、豊かな交流を生む空間をいかにつくり出せるかが課題でした。
当ビルは前川國男設計によるモダニズム建築遺産であり、光庭からの豊かな採光が特徴的です。
この光あふれる空間で、カジュアルな雰囲気のサロン空間から、すこしフォーマルな会長室や応接室への道程を演出しながら、出版社や作家をはじめ、紀伊國屋書店を訪れる業界に関わる人々を迎え、書棚にさりげなく並べた本を話題に、ゆったりと歓談しながら豊かな時間を過ごせる場をつくりました。
会長の貴重なコレクションを陳列したショーケースや、紀伊國屋書店のロゴマークをあしらったステンドグラス、能登半島地震で被災した漆芸職人の手によって仕上げられたローテーブルなど、話のきっかけとなる要素をちりばめ、紀伊國屋書店のプライベート空間としての雰囲気を醸成し、特別な時間を演出しています。
また、照明はサーカディアンリズム(体内時計)を意識し、時間の移ろいとリンクする調色調光照明により、昼夜で空間の緊張感を変化させ、雰囲気に合わせた光となるように計画しています。
加えて、往年のサロンに飾られていた絵画作品も応接室の壁に据え付け、新生サロンとして復活させました。
- オープン
2024
- 所在地
東京都
- クライアント
株式会社紀伊國屋書店様
- ソリューション
デザイン・設計、サイン・グラフィックデザイン、設計監理、内装監理、什器制作、制作・内装施工
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