あたら夜 西伊豆

静岡県の伊豆半島西部に位置する旅館の客室とバー、およびファサードの改修計画です。万葉集に詠われた「明けてしまうのが惜しい、素晴らしい夜」に由来する「あたら夜 西伊豆」としてリニューアルオープンしました。
客室ではスイートルームを5室と、グループ・ファミリー向けのコンセプトルームを1室、1階ではバーの改修とファサードの意匠、ライブキッチンを当社で担当しました。

地方旅館には高度経済成長期やバブル期に建てられ、老朽化とともに開業当時の価値を維持することが難しくなっている物件が数多く存在します。当旅館も55年の歴史を誇りながらも、同様に老朽化の問題を抱えていました。また、海がみえるものの、海に面してはおらず、景観だけでは周りの宿泊施設との差別化をお客さまへ訴求しづらい状況でした。

旅館内に「内景色」を設け、外の景色に頼らず、建物内部に付加価値を創出する手法を試みました。
客室は「湯景」、バーは「光景」、ファサードは「流景」とし、既存建築の強みを抽出し、新たな強みとなる個性として空間に落とし込みました。
客室の1室はグループ・ファミリー向けのコンセプトルームとして企画し、SNSで映える写真を撮ることができるフォトジェニックな景色をつくり出しました。

素晴らしい空間により、ADR（客室平均単価）が向上しました。