宅地開発から50年が経過し、人口減少と少子高齢化が進む河内長野市日東町・大師町の地域の足として、暫定運行を開始している地域住民主体の移動支援公共モビリティが「クルクル」です。地域の移動を支える交通の運行を地域住民主体で運用するために、参加型のアートワークショップを実施しました。地元中学校美術部員および地域住民の方々と共に、アートを通して社会課題を再認識し、まちの魅力の再発見と、共創による地域住民のまちづくり参画意識の醸成を目指して、「観ル・知ル・創ル」の計10回のアートワークショップを実施しました。
2022年から地域住民主体による移動支援として、実証実験を開始しました。効果検証の結果、電動カート運用に関わりたい方は、わずか2.1%にとどまり、自立運営を目指すには、地域との密な連携が必須であるため、地域コミュニティづくりの一環として取り組む必要がありました。一方で、まちづくりの自分ごと化は、ハードルが極めて高く、誰でも参加できるシンプルで楽しいまちづくりの手法が求められました。
多世代をつなぎ、誰でも参加できるシンプルな手法として、アートを媒介にまちを考えることが、有効なアプローチになると考え、アートワークショップ「クルクル 観ル・知ル・創ル」を企画しました。美術家の中島麦氏、地域の未来の担い手である地元中学生と、地域住民とともに、いつもの景色を地域の皆さんと共に変え、「私たちのまち」にすべく、半年にわたり連続的にワークショップを実施しました。改めて自分たちのまちを観察しながら、地域課題を共有し、アートの視点でみんながひとつになれる世代を超えた共創を通して、住民の主体性を育み、まちづくりの参画意識を醸成しました。フィールドワークでアートの場所をみつけて、テーマ、ビジュアル、制作、全てのプロセスで共創し、まちの大階段、商業施設の懸垂幕、公道用モビリティが壮大なアートで生まれ変わりました。その結果、ワークショップ参加者から運営スタッフに加入する住民も増加するきっかけにつながりました。さらには、今回のワークショップを経たことで、地元中学生は学校をアートにする活動に取り組み、近隣大学生主体でのワークショップが実施されるなど、新たな活動の起点となりました。こうしてまさに景色が変わることで、まちが動き出しています。
- オープン
2025
- 所在地
大阪府
- クライアント
河内長野市 総合施策部 政策企画課様
- ソリューション
企画・基本構想、コンテンツ設計・制作、制作・建築施工、運営委託、PR業務、アート制作
- 協力会社様の声
(社会福祉法人みなと寮 救護施設みなと寮様)
近年、社会福祉業界では、法人や社会福祉施設が主体とした地域共生社会の構築が叫ばれており、御社が企画されたアートワークショップにまちづくりを行う一員として参画できたことは大きな意義があると感じております。
(ヤマハ発動機株式会社様)
電動カートの運営に手をあげる住民が少ない課題解決策として、大変興味深いイベントで、同様の課題を抱える地域に対し参考事例としてご紹介しております。誰でも参加しやすく、協働で作業をすることにより交流も深まり、中学生なども巻き込んだ現場は、高齢者も含め活気がある様子が思い浮かびやすいと思います。
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