森永スマイルファクトリー　神戸工場

2007年に工場見学を開始した神戸工場では、2019年秋に従来の工場見学を休止し、見学施設のリニューアルが計画されました。本リニューアルによって、子どもたちが楽しみながら身近な牛乳・乳製品への理解を深めるともに、SDGs目標達成に向けて食の安全を守る工夫や環境に配慮した取り組みを学べる施設に生まれ変わりました。途中、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンライン工場見学を実施していましたが、2024年3月に対面での工場見学を再開しました。当社は、施設のコンセプトから、空間デザイン、展示設計制作、各種コンテンツ制作まで、トータルにプロデュースしました。

ブランドコミュニケーション施設として、製造工程や商品ブランドだけでなく、企業として大切にしているものづくりへの想いや、原料である乳や酪農へのこだわりに対する認知にもつなげ、生活者の日々の生活に寄り添う森永乳業様の企業活動をより身近に感じてもらうことが課題でした。また、さまざまなカテゴリーの商品をつくっている神戸工場を象徴するコンテンツが求められました。

“家に帰ったときに思わず話したくなる”ような体験を目指し、「ふと、家族を想う場所」というコンセプトが生まれました。施設には、家族が暮らす部屋を再現し、大きな棚に歴史がたくさん詰まった本、商品と関連した楽しく遊べるおもちゃの数々が現れます。こうした来場者を引きつける仕掛けが暮らしの中に溶け込むようにちりばめられています。また、メインの展示室では、森永乳業様にとって商品の源である“乳”に焦点を当て、乳牛の解説や、酪農家と一緒につくるおいしさと安全についての知識が得られるコーナーを通じて、来場者が五感で楽しみながら「乳の魅力」を再発見できるコンテンツをつくり上げました。