界 出雲

島根県出雲市に新たにオープンした温泉旅館のプロジェクトです。
施設の西側には石造灯台として日本一の高さを誇る日御碕（ひのみさき）灯台が望め、東側には出雲松島と謳われる風光明媚な景色が楽しめる立地にあり、施設内はご当地楽「神楽」を楽しめる広場やブックラウンジ、お食事処、露天風呂付大浴場、総客室数39室の多様な客室タイプを有しています。

当施設が出雲大社に近いことから出雲大社や神話などとのつながりやストーリーがわかりやすいこと、また島根県内に同ブランドが2施設できることから、当施設のある日御碕エリアらしい自然要素の魅力を付加し差別化を図ってほしいとご要望いただきました。

出雲大社へ参拝される宿泊客が見込まれ、参拝前後に身を清めたいという心理的背景から、「海色禊」というコンセプトを掲げ、刻々と変化する日本海の海の色で心身を清める滞在を空間に落とし込みました。
西側客室は藍色に染まったリビングエリアを設けることで夕日の橙色をより美しく感じられるデザインとしました。
東側客室は日本海の神秘的な朝焼けの曙色をモチーフとし、石州和紙をベンガラで曙色に染め上げた地元職人による和紙を壁面に施し、日御碕らしい素材と色で清らかな空間を生み出しました。

エントランスの設えは非常に象徴的になっており、お客さまの撮影スポットとしても非常に人気になっております。
また、地域の作家様の意図を設えに反映いただき、そういった作成までの背景や、作品のストーリーをお客さまに伝えることで非常に関心をされ、島根の文化に興味を持たれる方が多くおられます。
灯台側・海側共に、景観による時間の移り変わりに合わせた設えも非常に満足度が高いお言葉をいただいております。