約400年前、豊臣秀吉が築いた初代大坂城は大坂夏の陣で落城し、徳川幕府により大量の盛り土で地中に埋められてしまいました。本プロジェクトは、400年の時を経て、豊臣期の石垣を地中から掘り起こして整備し、一般公開を行うものです。地下空間に降りて遺構公開を行う全国的にも類を見ない施設において、徳川幕府が再築した石垣とは異なる豊臣期石垣ならではの価値を伝える展示づくりに取り組みました。豊臣期の石垣と解明するまでの過程や、石垣の特徴、石垣が辿った激動の歴史を追体験できる展示ストーリーと演出を組み立て、さらに地上から地下へ、そしてまた地上へと上下する遺跡見学のプロセスと重ね合わせることで、より特別感のある展示空間としました。また、石垣そのものの見せ方を大切にしながら、映像・照明・音響を連動させた一体的な演出で、遺構本来の魅力を伝えています。
紀伊國屋書店様におけるおもてなしの場となるサロンを、旗艦店である新宿本店ビルの最上階に復活させるプロジェクトです。1964年のビル建設当時、創業者である田辺茂一氏によって文壇の社交場となるサロンがつくられました。その後時は過ぎ、失われてしまったその空間を現代によみがえらせるべく、2021年から2023年まで行われた新宿本店リニューアルに引き続き、今回新たなプロジェクトとして、当社はデザイン・設計、制作・施工などを担当しました。
閑静な住宅街の一角にあり、近隣に住む子どもたちが集う中野区立江古田図書館児童コーナーのデザイン設計・内装改修・什器制作を担当したプロジェクトです。1階では、老朽化した内装材を新調し、大型本や紙芝居などが配架できる児童コーナーならではの本棚を制作しました。また、保護者が楽しめるような雑誌エリアも設け、親子一緒に過ごせる空間づくりを行いました。東京都指定無形民俗文化財である「江古田獅子舞」をモチーフとした図書館オリジナルキャラクター「ししまる」と「えごたん」が出迎えるこの空間で、図書館は楽しいところだという印象を子どもたちに抱いてもらうことを目指しました。2階では、カウンターとイスを新設しました。カウンターの一部にアクリル材を使用したことで、太陽の光の暖かさをほのかに感じつつ、静かに読書ができるスペースとなっています。
エア・ウォーター北海道様の新施設「エア・ウォーターの森」は「持続可能な社会の実現」と「安全・安心で豊かな暮らしの実現」のために社会課題に取り組むオープンイノベーション施設です。この施設の中にエア・ウォーターグループ様の取り組みの一つである「農業と食」を発信・共有する場として誕生したのが、レストラン・カフェ「エウレカ」です。施設コンセプトである「サステナブル・豊かな暮らし」がレストランでも感じられるよう建築デザインと連携を取って進めた空間は、店名の「エウレカ」(古代ギリシャ語でみつけた!わかった!の意)と同様に北海道の豊かな大地、その大地が育む食材の本来のおいしさをお客さまに見つけてもらえるデザインとなりました。
近代日本を代表する歌人の一人である石川啄木の顕彰と資料保存などを目的として1970年に開館した石川啄木記念館が、玉山歴史民俗資料館を増設しながら2025年にリニューアルオープンしました。啄木の残した「ふるさと」という言葉をコンセプトで2館をつなぎ、啄木記念館では啄木の生きた明治期、歴史民俗資料館では昭和30年代頃を中心としながら、現代の玉山の姿も併せて見ることができる構成としています。石川啄木記念館では空間全体を使い、啄木の生きた26年の人生と、没後から現代までの人々の顕彰活動を巨大な年表として表現しています。年表の下には、その年代ごとの収蔵品、その当時の啄木のことばなどを見ることができます。中央のシンボル展示では、啄木が実際に弾いたオルガンが展示され、その背景の大きなスクリーンでは「啄木の人生」「啄木とふるさと」の2編のオリジナルアニメーションを選択し見ることができます。また、企画展示室や蔵書閲覧コーナーなども設置されています。玉山歴史民俗資料館では、地域の方々から寄贈された民俗資料展示のほか、民俗芸能や自然の姿なども映像や情報検索システムを使って保存され、見ることができます。2館をつなぐ廊下部分では講演会やワークショップが行える多目的ホール、ミニ企画展示などが行える棚展示「つながるたまやま」、収蔵庫の一部をガラス張りにした「見せる収蔵庫」などが配置されています。その窓からは、啄木がかつて暮らした齋藤家住宅、渋民尋常小学校を眺めることができます。
本施設は、三井不動産レジデンシャル様のマンション販売のためのショールームです。仙台市中心部のビル1階にあり、屋外からもよく見える立地を生かし、「EN-人と人、まちと人、内と外、縁をつなぐ場所」をコンセプトとして、日本家屋によく見られた“縁側”をイメージとしながら空間構成しました。中心部のプレゼンテーションスペースでは、マンション模型と映像を使いながら、入居者をワクワクさせる展示演出でお出迎えします。その周辺の外とつながる公園のような空間では、「すまい」についての商談も行うことができます。また、同社はダイバーシティ&インクルージョン推進のために、仙台エリアにおける分譲マンションの一部にパラアートサブスクリプションサービスの導入を行なっており、自立支援や活躍できる機会の提供を目指す取り組みを行っています。その取り組みを多くの人に知っていただくため、打ち合わせスペースの一部にもアートを飾り、また歩道からすぐ目に入るマンションのバルコニーをイメージした空間では、パラアーティストを紹介するミニギャラリーも設置しました。
日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2024」(テーマ「Reframing -転換のはじまり-」)に、「Being 家具が居ること」を出展しました。「Being 家具が居ること」は、人と物との関係性について再考するプロジェクトです。私たちは空間をデザインするプロジェクトの中で日々多くの物をつくり出していますが、その裏側では、それらがまだ十分に使える状態で廃棄されてしまうことや、使われなくなってしまうことに対して、大きな課題を感じています。一つの物が長く大切に使われるという状況を考えてみると、物に対する愛着が芽生えるような関係性が生まれていることがしばしばあります。そのようなとき私たちは、「所有して使っている」感覚から、いつしか物を気にかけて「一緒に居る」感覚になっていることに気がつきました。そこで、この感覚の変化に気づくことが、課題解決のためのひとつの方法ではないかと考えました。プロジェクトが提示する家具はとりわけ頑丈なわけでも、機能的に優れているわけでもありません。むしろ、どこか不安定さや気まぐれさがあり、気にかけたくなる性質を持っています。家具が“ある”から“居る”という存在に変わったら、私たちはどのように彼らと接するか、本プロジェクトにおける一連の実験的デザインによって、人と物の間の価値変容を社会に問いかけます。当社は「一人ひとりの『クリエイティビティ』を起点に空間のあらゆる可能性を切り拓く」をビジョンとし、人々の心が豊かになる空間づくりに取り組んでいます。その一環として、私たちは直面する社会課題にクリエイティブな視点で挑戦し、アウトプットを通した発信・交流・イノベーションの循環をつくるため、国内外のデザインイベントへの出展を続けています。
111周年を迎える宝塚大劇場の建物エントランスからロビー(大広間)までの店舗・環境エリア全体のリニューアルです。「夢、ここから」をコンセプトに、これまで育まれてきた宝塚大劇場の魅力を大切に受け継ぎ、この先も多くのお客さまに夢をお届けし、愛され続けるような空間を目指しました。館内に足を踏み入れた瞬間から華やかな宝塚歌劇の世界観に包まれ、夢と感動へと導く “非日常感” “高揚感” を味わえるような空間となっています。内装環境のデザインを統一し、館内全体で宝塚歌劇の世界観を創出することで、観劇前後の時間をより快適に、そして観劇以外のお客さまも楽しめるような空間を計画しました。宝塚歌劇の舞台・ショーの要素や大劇場の建物から、「宝塚らしさ」を表すモチーフを抽出し、現代のデザインとして再構築することで、これまでのファンにより一層愛され、さらには新たなファンも取り込めるよう、これからの宝塚歌劇を見据えたブランド価値向上につながる空間を実現しました。
小田急ホテルセンチュリー相模大野7階にオープンするオールデイダイニング「MONDO 相模大野」のプロジェクトです。200坪を超える豊かな空間はレストラン「MONDO」の象徴となる巨大な薪窯を持ち「山からテーブルへ」をテーマに、薪火調理で素材本来の味を引き出し、シンプルで革新的な味わいを提供します。手づくりのこだわりパンをメインとしたランチビュッフェや、薪窯で焼き上げるステーキを中心に、本格的なイタリアンを気軽に楽しめます。また、レストラン内には本格カクテルや希少なオールドウイスキーをカジュアルに愉しめる「BAR ROJY」、焼きたてパンや焼き菓子が購入できる「こがさかベイク相模大野」も併設し、自由で温かな唯一無二のレストラン体験を街の皆さまへ提案いたします。
禁酒法が施工されていた1920年代のアメリカを時代背景に、その当時、美容室や法律事務所などを装って裏で酒を密売する文化“スピークイージー”をコンセプトとしたバーです。コンセプトを面白いと思ってくれた人たちだけが集まる場として、このスピークイージーの仕組みを取り入れた、シークレットバー「JANAI」シリーズの3店舗目となるのがJANAI HOTELです。一見扉とは思えない絵画を開けると、暗証番号を解読した人だけがたどり着ける秘密のバーに入店することができます。当社はデザイン・設計、テナント内装設計を担当いたしました。
本プロジェクトは2022~2024年の約3年にわたり段階的に行ったリニューアルプロジェクトです。3期目となる今回は、46階「SKY VIEW」と「エントランス」の改修を実施し、新たなにぎわいと交流を生み出す場として生まれ変わりました。
相鉄不動産が展開する住宅ブランド「Gracia(グレーシア)」の情報発信拠点として、ブランドの世界観を実物や映像で体験できる常設型総合販売ギャラリーの新装計画です。横浜の地域に根ざし、親しまれてきた相鉄線が、東急線との相互直通運転で結ばれ利便性が向上したことで、都心住むお客さまにも来場しやすいサロンとして、相鉄不動産の本拠地である横浜と他県とをつなぐHUB機能を有する新横浜にオープンしました。施設内には、イベントも開催できるラウンジや各物件をVRで体験できるプレゼンテーションルーム、グレーシアブランドの「上質さ」を表現したコンセプトルームが配置されています。当社は内装デザイン、造作什器制作、ディスプレイを担当しました。
“誰もが過ごせる「インクルーシブスタジアム」の実現”に向けたトライアルとなるプロジェクトです。2024年9月22日(日)開催のプロ野球イースタン・リーグ公式戦にて、主催される読売新聞社様・日本テレビ様・東京ドーム様ご協力のもと、「センサリーフレンドリーチケット」を初めて販売しました。
1888年に建てられた北海道庁旧本庁舎は「赤れんが庁舎」という愛称で知られる、北海道を代表する重要文化財です。2019年から耐震補強および保存改修工事のため一時的に閉鎖することになりました。その閉鎖期間中に、「今だけここだけ」をテーマに改修工事中にしか見ることのできない仮設見学施設を計画しました。
1998年に品川港南地区のビジネスと文化の中核を担うエリアとして開発された超高層大型複合ビルである品川インターシティのオフィス共用部のリニューアル計画です。本施設は南北に細長く、3つのオフィス棟と商業店舗棟、ホール棟からなる、ひとつの街のような複雑な構成となっているため、「風と人がめぐる街」というコンセプトを基に、ビルのさまざまなスペースを活用することで人を循環させ、「風」をモチーフに複数の棟に統一感を出すデザインとしました。周辺のオフィスビルとの競争力強化のため、高級感を意識しながら、目の前に広がるセントラルガーデンの心地良さにつながる木を基調とした空間は、穏やかな風が吹き込んでくるような壁や天井の曲線、連続する縦のラインにより、訪れた人をビルの先へと誘導しています。また、入居者がオフィス以外に心地よい場所を見つけて多様な使い方ができるよう、現在も新たな環境づくりを計画中です。
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