2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)シグネチャーパビリオン「EARTH MART」は小山薫堂氏がプロデュースしたパビリオンです。「食を通して、いのちを考える」をテーマに、日本人が育んできた食文化の可能性とテクノロジーによる食の進化を共有し、未来へと導く「新しい食べ方」を共に考える場となっています。普段は「食」が並ぶスーパーマーケットに「いのち」を陳列し、その背景を体験することで気づきを得る設計としました。日常的な風景の中に見つける価値は、日々のさまざまな場面での選択を考えるきっかけになります。また、「野菜の花」や「卵殻を利活用した再生たまご」など生きた素材を使って空間を構成しながら、食に関わるさまざまな方(農家・寿司職人・バイオテクノロジー研究者)と共にコンテンツ自体を構築し、空間に物語が広がっていくような「統合されたひとつの世界観」をつくることでメッセージの伝達を実現しました。切り取られた「いのちの断片」を通じて、さまざまな当たり前をリセットすることで、いのちにとって本当に大切なものに気づき、感謝や優しさが生まれ、ほのかな幸せにつながる。食事の時間を昨日よりも少しだけ大切にしたくなる…そのような後味を残せればという小山プロデューサーの想いを具現化しました。