2010年にオープンした名古屋アンパンマンこどもミュージアム&パークの10周年を記念し、今後の10年を担うパワーアップ施策として「やなせたかし劇場」の増築と「おおきな木とあそびの森」の改装を当社で担当させていただきました。
当施設は全国のアンパンマンこどもミュージアムの中でもキャラクターのショーとグリーティングに特に力を入れており、本格的なショーを実施できる専用劇場と親子で参加できる遊び・イベントを行う広場のプロジェクトとなります。
“やなせたかし劇場”
「子供部屋で遊んでいたらアンパンマンたちがやってきた」をコンセプトに、温かみのある木質空間とし、幼児たちの玩具として親しみのある積み木をモチーフとした演出としています。
積み木は全体で大きな演出となるよう、建築内外共、建築躯体と一体で構成しています。加えて室内は、アニメに登場する乗り物・メカ・パン工場を積み木で構成することにより、幕間でも親子の会話が生まれるような演出としています。
“おおきな木とあそびの森”
「アンパンマンたちがさっきまで遊んでいたひろば」をコンセプトに、中央にシンボルツリーを配し、その周りを親子が遊んだり、スタッフがイベントを実施できる自由なスペースとしています。天井面は森の1日を楽しめるよう、青空・虹・夕焼けを照明により演出しています。
それらを取り囲むようにトンネルやすべり台・のぞき穴といった固定遊具を配し、森の中で親子が遊びを発見していくような空間としています。
「今後の10年を担う劇場と展示を」とのご要望に加えて、全国でも指折りの暑さを記録し、かつ屋外広場を持つ施設であることから、快適性・安全性確保のご要望がありました。
“やなせたかし劇場”は木質・積み木といった温かみのある仕上げ・演出を用いるとともに、残響時間・遮音性といった音環境、断熱・空調といった空気環境など目に見えない空間の性能やフライング機構、照明・音響・映像演出を支える構造・設備にも配慮しました。
ショーの内容や演出は時間の経過とともに変化しますが、建築が担う音環境や空気環境といった快適性や安全性は今後10年以上、劇場での体験を支えていく不変的なものとして高い水準を目指しました。
“おおきな木とあそびの森”はシンボルツリーやグラフィックなどによりアニメの世界観に入り込めるようにするとともに、他のミュージアムにはない新たな遊びやイベントをスタッフが考え・試せる、比較的自由なスペースとすることで今後も新しい遊びが生まれる場となることを目指しました。
開業後10年間で約620万人の来場者をお迎え致しました。現場運営を実施してきたスタッフ一同の「こんなのあったらいいなぁ…」の願望や、屋外が多い施設ならではの悩みの解消を目的にパワーアッププロジェクトとして依頼させていただきました。理想をお伝えしましたが、既存の施設を生かしながらのデザイン・設計は制限もありながらで悩ましい案件であったと思います。
アンパンマン専属劇場と自由な喜びをご家族で体験できるあそびの森は想像を上回るほど来場者に喜んでいただいています。
キャラクターの世界観の中で今後も長く子供たちの記憶に残る施設となりました。
- オープン
2022
- 所在地
三重県
- クライアント
名古屋アンパンマンミュージアム&パーク有限責任事業組合様
- ソリューション
企画、デザイン・設計、サイン・グラフィックデザイン、環境デザイン、建築設計、設計監理、環境演出装置設計・制作、制作・内装施工
- ※ NAU (NOMURA ARCHITECTS UNIT)
「建築」の機能を起点に、乃村工藝社の空間領域を拡大するデザインチームです。
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