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乃村工藝社

若手の「やりたい」を、最初の熱量だけで判断しないほうがいい?

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地域活性化プロジェクトなど、多数の関係者が参加するプロジェクトに携わることが多い、左近です。

私が携わるプロジェクトでは若手と一緒に仕事をすることも多く、ときには若手から「こういう仕事がしたい」という話を聞くことも。そうした声を受けて、実際のプロジェクトの中で役割を任せるケースもあるのですが、いざ仕事が始まると、想像していたほど本人の熱量が見えない、ということもあります。

 

「やりたい」と言っていたのに、なぜ熱意が見えないのか

「やりたい」と言っていたはずなのに、思っていたほど前のめりではない。
若手に仕事を任せる立場であれば、そんな場面を経験したことがある方も少なくないのではないでしょうか。

そんな様子を目の当たりにすると、「これは、本当にやりたいことだったのか?」と、戸惑ってしまいますよね。

本当に好きな仕事なら、もう少し積極的な姿勢が見えるのではないか。自分だったら、もっと熱量を持って取り組むのではないか。そう考えてしまうこともあります。

では、「やりたい」はずのプロジェクトなのに、どうして熱意を持てないのか。その答えを探すために、私の経験から、少し例え話をしたいと思います。

 

外部と組む理由は「足りないから」だけではない

しかしながら、外部と組む意味はそれだけではありません。

自分たちでもできる仕事に、あえて外部の人に入ってもらうことがあります。
同じデザイナーという立場でも、考え方や仕事の進め方は人によって違います。
社外のデザイナーが加われば、社内のデザイナーにとっては「自分も比較されるかもしれない」という、良くも悪くも緊張感が生まれます。

そうした刺激があるからこそ、自分たちだけでは出てこなかったアイデアや考え方が入ってくることもあると感じています。

つまり、単純に仕事を外へ出す「外注」と、一緒にチームをつくることは、少し意味が違うのではないかと思っています。

 

やっていく中で、仕事の見え方が変わっていく

たとえば、デザインに関わりたいと思っていた若手が、プロジェクトでは関係者との調整役を担うことがあります。

本人が志願したプロジェクトではあるものの、最初に希望していた仕事とは違うこともあり、当初はあまり興味がなさそうに見えました。

それでも、関係者とのやり取りを重ねていくうちに、少しずつ本人の役割が生まれていったのです。

その変化は、関係者から「まず彼に聞けばわかる」と頼られるようになったり、同期や周囲から「この進行、君がやったの?」と声をかけられたりする場面に、少しずつ現れていきました。

そうした周囲の反応を通じて、本人も「自分のやっていることには価値がある」と認識するようになり、仕事に誇りを持つようになっていきました。

仕事の意味や面白さは、最初から本人の中で明確になっているとは限りません。実際に役割を担い、周囲からの反応を受けることで、自分の仕事の価値に気づくことがあります。
若手の変化を見るときには、本人の様子だけでなく、周囲との関係がどう変わっているかにも注目すべきでしょう。

 

「やりたい仕事」より、気づきや実感が生まれる経験を

若手にとっては、「やりたいプロジェクトの、やりたい仕事」でも、「やりたいプロジェクトなのに、やりたい役割じゃないな」という仕事でも、未経験という意味では同じです。
実際にやってみることで周囲との関係が生まれ、自分の役割が見えてくる。その経験を通して、仕事への向き合い方も変わってきます。

そのときには気づいていなくても、後になって振り返ると、「あの経験が自分の力になっていた」と実感することもあるでしょう。

だから、「やりたい仕事なら、最初から熱意が出る」とは限りませんし、やりたい仕事でなくとも、やっている内に自信につながることもあるのです。
そのため、若手に仕事を任せるときは、最初に見える熱量だけではなく、その仕事を通して本人にどのような気づきや実感が生まれているかを見ることが大切だと考えています。

希望していた仕事そのものかどうかだけでなく、経験の中で自分の役割や仕事の価値を見つけられるか。
その視点を持つことで、若手の仕事への向き合い方や成長も、少し違って見えてくるかもしれません。

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