「自分たちだけでもできる」仕事を、あえて外部と組む理由

関係者が多数になるプロジェクトに携わることが多くなりがちな、左近です。
少人数のチームでは、自分たちの中だけで仕事を進めることも多いと思います。
それ自体に問題があるわけではありませんが、見方によっては機会損失につながっていた、という可能性も、実はあったりします。
乃村工藝社は、施工をはじめ、多くの協力会社や社外の方々と一緒に仕事をしている会社です。
私自身も、これまで社外の人とチームを組む仕事を数多く経験してきました。
今回は、そうした経験から感じている「外部とチームをつくる意味」について紹介します。
外部と組むのは「自分たちだけではできないとき」になりやすい
自分たちで対応できる仕事であれば、まずは自分たちの中で進める。これは自然なことです。
反対に、自分たちにない専門性やリソースが必要になれば、そこで初めて外部の人に力を借りる、というケースも多いでしょう。
実際、私たちは「地元に恩返しをしたいが、そのやり方がわからない」といった企業のお客様から相談を受けることがあります。
そうしたときには、私たちだけで答えを出すのではなく、必要に応じて外部のブレーンともチームを組みながら、進め方そのものを一緒に考えていきます。
こうした経験からも、外部と組むことは「自分たちに足りないものを補うため」と捉えられやすいのだと思います。
外部と組む理由は「足りないから」だけではない
しかしながら、外部と組む意味はそれだけではありません。
自分たちでもできる仕事に、あえて外部の人に入ってもらうことがあります。
同じデザイナーという立場でも、考え方や仕事の進め方は人によって違います。
社外のデザイナーが加われば、社内のデザイナーにとっては「自分も比較されるかもしれない」という、良くも悪くも緊張感が生まれます。
そうした刺激があるからこそ、自分たちだけでは出てこなかったアイデアや考え方が入ってくることもあると感じています。
つまり、単純に仕事を外へ出す「外注」と、一緒にチームをつくることは、少し意味が違うのではないかと思っています。
私たち自身も、自分たちでできる仕事に外部の力を入れた
私が関わったある公園のリノベーションプロジェクトでは、通常とは少し違うチームのつくり方をしました。
空間をつくるだけではなく、事業構想の支援から設計・施工、その後の活性化や運営まで関わる仕事です。
そのプロジェクトでは、まず外部の設計・デザイン人材に声をかけ、仕事を獲得した後に社内のメンバーを加えていきました。
乃村工藝社の中にも、設計やデザインを担えるメンバーはいます。外部に頼まなければ実現できない仕事だったわけではありません。
それでも、同じプロジェクトに外部のデザイナーが加わることで、自分たちだけでは得にくいアイデアや考え方が、社内に入る機会にもなりました。良い刺激であったと思います。
結果として、このプロジェクトは成功事例の一つとなりました。そして、一緒に取り組んだ相手との関係も、その案件だけで終わったわけではありません。
現在も外部ブレーンとして、地域企業から寄せられる相談などに一緒に取り組む関係が続いています。
外部とチームを組んだことが、一つのプロジェクトだけではなく、その後の仕事の広がりにもつながりました。
外部と組むことも、自社の選択肢の一つ
自分たちでできる仕事を、あえて外部の人と進める。
それは、単に仕事を任せることではなく、自分たちの仕事の進め方や考え方に、新しい視点を取り入れる機会にもなります。
「これは社内でできる仕事」と決めているものの中にも、外部と組むことで広がる可能性があるかもしれません。
いつものチームのつくり方を少し変えてみる。
そんな選択肢を持つことが、次の仕事の広がりにつながっていくのではないでしょうか。