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乃村工藝社

その企業にしかできない企画とは

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空間づくりを通じて、特にコミュニケーション領域でお客さまが「新しいこと」を始めるお手伝いをしております、彦田です。
周年事業や地域貢献事業などで、「自社らしい企画を考えてほしい」という相談を受ける事がありますが、そういったことに慣れていない多くの方は、どこから手をつけるべきか、思い悩んでしまうものです。
企画と言っても展示会やショールーム、地域向けの取り組みなどなど、選択肢はありますし、「自社らしい」と言われても具体性がなく決め手が見えない。
でも、こういう依頼を受けた際に思い悩まないためのヒントはあるので、今日はそのあたりを書いてみたいと思います。
 

その企業でしかできない企画は、特別なアイデアの話ではない

「その企業でしかできない企画」と聞くと、つい特別なアイデアを考えなければいけないように感じてしまいがちです。
しかし実際には、企画のアイデアそのものは、他社でも「やろうと思えばできる」ものが多いです。
重要なのは、何をやるかではなく、どの立場でそれをやるのか。
企業がこれまで築いてきたインフラや歴史、事業所のあり方、地域との関係性は、それぞれまったく異なります。
独自性は施策の中身から生まれるのではなく、企業が置かれている立場から自然に立ち上がってくるものです。
これが、「自社らしいかどうか」を判断するひとつの軸になります。
また、企画を他社と比べて考える必要はありません。
目立つか、新しいか、といった競争や比較ではなく、自社の事情や背景から見て「やるべきかどうか」を問い直すこと。これが、もうひとつの大切な判断軸です。
 

あるガス会社の事例に見る、「らしさ」と「やるべき理由」 

こうした考え方を体現している事例として、あるガス会社の取り組みがあります。
この企業では、従来のガスのショールームをやめ、地域に開かれたコミュニティスペースへと転換しました。
ガス会社のショールームは、人生の中で数回しか訪れない場所です。
一方で、コミュニティスペースであれば、子どもが放課後に立ち寄ったり、地域の人が日常的に集ったりと、接点が何度も生まれます。これは、「地域の日常に関わるインフラ企業」という立場を生かした、その企業らしい判断でした。
さらにこの背景には、駅前で学校にも近い立地条件や、ガス会社が地域密着型のインフラ産業であること、そしてガス事業から総合生活産業へと変わろうとする事業転換期にあったことが挙げられます。
その立場から見れば、この取り組みは「やるべき理由」が明確だったと言えます。
同じ形を他社が真似しても、同じ意味や効果にはなりません。
「自社らしいか」「自社としてやるべきか」。この二つの軸がそろって、初めて「自社らしい企画」と言えるものになるのではないでしょうか。

自分たちは地域や社会の中で、どんな存在として受け止められてきたのか。
それは、ステークホルダーとの関係の中でこそ、その輪郭が見えてきます。
だから、もし「自社らしい企画」に迷ったときは、「自分たちの視点だけで考える」のをやめてみるのもひとつの手です。

そこからきっと、「その企業にしかできない」取り組みが立ち上がるはずです。
 

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