AI時代だからこそ「空気を読む力」が仕事を動かす

多くのプロジェクトに携わるほどに、「空気感って、大事だな」と思うことの多い、渡邊です。
最近は「AIに仕事を奪われる」という話を耳にすることも増えました。資料作成や情報整理はもちろん、デザインまでAIが生み出せる時代です。実際に、AIを活用できる仕事は着実に増えています。
しかし、企業ごとの特徴や目的を読み取り、その会社らしい空間として形にする仕事は、そう簡単ではありません。
例えば、同じ「働きやすいオフィスにしたい」という要望でも、企業によって目指す姿は異なります。
「この会社らしさを表せているか」「この会社に合っているか」という空気感を、読み取る必要があるのです。
なぜ今、そんな「空気を読む力」が仕事の質を左右するのか
私が営業として20年以上、多くの企業と向き合ってきた中で感じるのは、法人ごとに異なる個性があるということです。
同じように提案をしたとしても、その場で前向きな反応が返ってくる会社もあれば、一度持ち帰って慎重に検討する会社もあります。その違いや特徴は、稟議の進め方や予算の考え方、会議でのやり取りなど日々の仕事の進め方に、会社の色として表れます。
特に長い歴史を持つ企業ほど、積み重ねてきた文化や価値観が色濃く残っています。
それゆえでしょうか、オフィスづくりや社屋づくりの相談でも、「会社の雰囲気を変えたい」という要望は少なくありません。
それを変えるためには、まず今の会社らしさを理解する必要があります。
何を大切にしてきたのか、どのような判断基準で仕事を進めてきたのか。
その会社独特の空気感を読み取らなければ、本当にその企業らしい空間にはなりません。
私たちが注目しているのも、こうした会話の温度感や提案への反応、言葉には表れにくい感覚です。
実は、あなたも空気を読んでいる
例えば、上司によって説明する順番を変えたり、会議の前に関係者へ声をかけたり、相手に合わせて提案の伝え方を工夫した経験はないでしょうか。
実は、それも「空気を読む」仕事です。多くの人は意識せずに行っていますが、相手や組織の特徴を読み取り、仕事の進め方を調整しています。
AIが得意なのは、情報を整理したり、パターンを学習したりすることです。
行間や空気感といった、人間が介在する関係性を読み取ることは、今のところ苦手です。
私たちの仕事では、このAIが苦手とする領域がとても重要です。それは、その会社の「無意識」や「空気」を読み取り、それを空間という形に落とし込んでいくというものです。
これは他の仕事にも同じことが言えると思います。普段、何気なく行っている「空気読み」を少し意識してみるだけでも、仕事の進め方は変わってくるかもしれません。
あらためて「空気を読む」というと、もしかしたら特別な能力のように聞こえるかもしれません。
しかし実際には、多くの人が日々の仕事の中でごく自然に行っていることです。
自社らしさや組織の空気感を改めて意識してみることが、社内での仕事の進め方を見つめ直すヒントになるのではないでしょうか。