はじめて社内プロジェクトのリーダーを任されたあなたへ。

乃村工藝社の空間作りの中でも、オフィス・ワークプレイス関連の空間づくりに携わることが多い、渡邊です。
企業で経験を積むほど、プロジェクトリーダーを任される機会は増えてきます。新規事業や制度改革、新たなオフィスづくりなど、リーダーの経験がなかったり、社内にも前例がないプロジェクトであれば、「どう進めればいいのか分からない」と戸惑うのも無理はありません。
私もオフィスづくりのプロジェクトで、そんな場面に立ち会うことがよくあります。そのなかで感じるのは、経験や技術とは別に、とても大切なものがあるということです。
リーダーは「ボールを持つ人」ではない
世間でよく言われるプロジェクトリーダーの主な役割は、周囲を動かすこと。サッカーでいえば、キラーパスを出すように、メンバーへ的確にボールを渡すことが大切です。
いつまでも自分でボールを持ってしまうと、メンバーは困ってしまいます。
そのためには、広い視野が欠かせません。
私がお客様との打ち合わせで意識しているのは、議論が細かな点でヒートアップしたときほど、「それはなぜ必要なんでしょうか?」と問いかけることです。
これにより、まずは目的や背景に立ち返り、一歩引いて考えられるようになることが多いからです。
こうした役割としての視点は、プロジェクトを進めるうえで大切です。でも、それ以上に私が大切だと感じているものがあります。
プロジェクトリーダーに大切なもの
これまでご一緒してきたお客様を振り返ると、プロジェクトが進みやすかったチームには共通点がありました。
熱意のあるリーダーがいたことです。
経験や技術はもちろん大切です。でも、それ以上に熱意のある人には、社内のメンバーも、私たちのような外部パートナーも自然とついていきやすいものです。
では、その「熱意」の正体とは何でしょうか。
それは、勢いがあることでも、声が大きいことでもありません。「自分はこうしたい」という意見、つまりオピニオンを持つことです。
リーダーがオピニオンを持つことで、チームの目指すべき方向がはっきりします。社内のメンバーも、外部パートナーも、共通の意識を持って動きやすくなるのです。
ただ、そんな熱意が強い人ほど、「自分が何でもやらなきゃ」と思ってしまうことがあります。そこは注意したいところです。
チームは“指示”より“目的”で動く
では、なぜオピニオンと広い視野が必要なのでしょうか。
細かな指示を出し続けると、メンバーには「やらされ感」が生まれやすくなりますし、指示を出す側も管理が増え、双方ともに疲れてしまいます。
そこで大切なのが、「何をやるか」ではなく、「この先に何があるか」を共有することです。
目的が共有されると、メンバーは自分で考え、動けるようになります。細かな管理をしなくても、チーム全体が自然と同じ方向を向いて進めるようになるのです。
オフィスづくりも、一人で完成させる仕事ではありません。共通の目標を持ちながら、チームで進めていくことが大切です。
プロジェクトリーダーに必要なのは、自分で全部やることではありません。
「自分はどうしたいか」というオピニオンを持ち、それを周囲と共有していくこと。そして、一歩引いて全体を見る視野を持つこと。その積み重ねが、チームを動かす力につながっていくのだと思います。
私自身、オフィスづくりの現場で、こうした場面を何度も見てきました。もし皆さんが、初めてプロジェクトリーダーを任されて「これからどうしよう」と感じることがあれば、この話が少しでも役に立てばうれしく思います。