空間創造によって
人々に「歓びと感動」を届ける

乃村工藝社

異動文化で長期間のプロジェクトを成功させる秘訣

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比較的長期のプロジェクトに携わることも多い、溝口です。

担当を務める方によっては、長期間のプロジェクトに後から参加した立場になると、「自分が関われる計画段階の部分は終わっている」とか、「あとは決まっていることを進めるだけ」と思うこともあるかもしれません。
しかし、途中から加わる方だったとしても、プロジェクトへの向き合い方によっては成果が大きく変わることがあります。

例えば行政案件では長期のものが多く、その間にある異動のため、立ち上げた人と完成を見届ける人が異なるケースも少なくないのですが、立ち上げ当時のご担当者様が驚くような出来になっていた、ということもあるのです。

 

「もう決まったことだから」と流してしまう人は少なくない

後任者としてプロジェクトに加わると、それまでの経緯や判断理由はなかなか見えません。
そのため、「決まったことを進めるだけ」と思い、良いも悪いも考えず、そのまま流してしまうことがあります。
そうなると、自分の仕事として向き合うことも難しくなってしまいます。

私自身、行政案件を数多く担当してきた中で、こうした場面によく出会います。
異動文化のある組織では自然に起こることですが、「決まったことを進めるだけ」という姿勢のままでは、プロジェクトの面白さも成果も見えにくくなってしまいます。

 

背景を理解すると、見える景色が変わる

実は、計画段階で完成形までが明確に決まっているプロジェクトはほとんどありません。

私の経験でいうと、とある展示コーナーを擁する施設づくりに関わったときのことです。
一番難航した設計図面も既に完成していたので、「あとは実際につくるだけ」と思われていた案件がありました。

ところが、図面も完成し展示テーマも決まっていたものの、具体的な展示内容や、それをどう見せるかは、実は何も決まっていませんでした。

展示物の選定や見せ方ひとつで、来場者への伝わり方や空間全体の印象は大きく変わります。
ここは、後任者が考え、判断していかなければいけない部分でした。自分の色を出すべき部分、と言ってもいいかもしれません。

前任者がどのような考えでそこまで進めてきたのか。その背景や意図を理解していくことで、「もう決まっている」と思っていたプロジェクトでも、自分次第でいかようにも良くすることができるのです。

 

完成形は最後まで見えない

良いプロジェクトほど、「さらに良くするにはどうしたらいいか」を考え続けています。

決まった内容を変えるのではなく、その条件の中で完成度を高め、お客さまと一緒により良いものにしていく。たとえ設計図面が完成していても、後任者が判断し、形にしていく部分は数多く残されています。

この案件では、計画段階で担当を離れた方と、完成後に再会したことがありました。その方は完成した施設をご覧になり、「計画していた頃に想像していた以上のものになった」と話してくださいました。

完成形は、計画段階では誰にも見えていません。
だからこそ、途中参加者が積み重ねた判断や工夫が、プロジェクト全体の価値を大きく左右することもあるのだと思います。

異動文化の中では、一つのプロジェクトを最初から最後まで担当できるとは限りません。

それでも、途中から関わるから価値を出せないわけではありません。
背景や事情を理解することで、自分だからこそ加えられる視点や工夫が見えてきます。

実際に完成した施設や空間は、計画段階の想像を超えることも少なくありません。

だからこそ、途中から関わるプロジェクトにも面白さがあります。
「もう決まった仕事」ではなく、「これから一緒につくる仕事」と考えてみると、少し違った見方ができるかもしれません。

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