空間創造によって
人々に「歓びと感動」を届ける

乃村工藝社

IP活用、「ただ利用するだけ」では意味がない?

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普段はプロジェクトマネジメントに携わっております、溝口です。
IP(知的財産)、とりわけキャラクターなどの作品を活用した成功例を、テレビなどでご覧になった方は多くいらっしゃると思います。

しかし、いざ自社のキャラクターを制作してみると、その難しさに直面します。着ぐるみを作り、ポスターやノベルティも制作して社内外へ積極的にPRしたものの、半年後にはそのキャラクターはほとんど話題に上らなくなってしまうことも、珍しくはありません。
「せっかく作ったのに」と思うところですが、キャラクターを作ることや利用すること自体が、成功に直接つながるわけではないのです。
では、そこで本当に大切なことは何なのでしょうか。

今回は、キャラクターや作品の活用について私の経験からお話しします。

 

そのキャラクターは定着しなかったのか

まずは、キャラクターや作品が今どの段階にあり、何を目的に活用するのかを見極めることが出発点です。
キャラクターや作品にもいろいろあって、国民的人気を持つ作品もあれば、これから認知を広げるキャラクター、自社オリジナルのマスコットキャラクターなんてものもあります。
人気作品なら集客力を期待できますし、自社キャラクターであれば企業の資産として育てられる可能性があります。

私が大切だと考えているのは、「なぜその作品なのか、どうしてそのキャラクターなのか」をきちんと説明できることです。
人気だから使う、作ったから使うという理由だけでは、作品やキャラクターは本来の力を発揮できません。
その作品だからこそ伝えられる価値があり、その場所や企業との関係性を感じられることが重要です。

キャラクターの活用とは、キャラクターを選ぶことではなく、人や場所との関係性を感じられる体験を設計する仕事でもあります。
私自身、多くの案件に携わる中で、その重要性を実感してきました。

 

愛されるキャラクターは、関係性の中で育っていく

原作と地域が長年関係を築いてきた漫画作品などは、その好例です。
ファンによる聖地巡礼の対象となったり、地域に根付き、住民からも親しまれたりしている作品やキャラクターには、作品の世界観と地域の記憶が自然に結び付いています。
地域から歓迎される関係性があるからこそ、訪れる人もその体験を自然に受け入れられるのです。

こうした事例に共通しているのは、「なぜここにあるのか」が自然と伝わることです。
人気作品には人を呼び込む力がありますが、その関係性がなければ、人の記憶に残るのは作品やキャラクターだけになってしまいます。
「あのキャラクターに会えた」という思い出だけで終わってしまえば、その場所やブランドの価値にはつながりません。

同じことは、自社キャラクターにも言えます。
社員が興味を持てないキャラクターは、社外にも広がりにくいものです。企業としてどんな存在でありたいのか、そのキャラクターを通じてお客様に何を感じてほしいのか。
まずは社員のみなさまが共感し、「グッズがあれば欲しい」と思えるくらい愛着を持てることも、自社キャラクターを育てる一つの目安になるでしょう。

有名な作品やキャラクターの活用を検討しているなら、「他のキャラクターでも置き換えられないか」「この作品である必然性はあるか」ということを整理しておくとよさそうです。
もし他のキャラクターでも同じような効果が見込めるのであれば、企画を見直す余地があるかもしれません。

自社キャラクターを育てるなら、「このキャラクターを通じて、お客様に何を感じ取ってもらいたいのか」を改めて考えてみるのはいかがでしょうか。
関係者全員がその想いに納得し、愛着を持てるだろうか。もし言葉に詰まるようであれば、一度立ち止まって考えてみる価値があると思います。

キャラクターも、空間も、愛されてこそ、価値が生まれるのだと私は思っています。だからこそ、「使う理由」は真剣に考えられるものであってほしいのです。

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