突然オフィス改装を任された人へ。「全部、自分でやらなきゃ」と思わなくていい

普段は主に企業様のオフィス空間をつくるお手伝いをさせていただいております、渡邊です。
これまでさまざまなオフィスづくりに携わってきましたが、その中でよく出会うのが、「突然、担当になってしまった」ご担当者様です。
総務や経営企画など、本来は空間づくりの専門家ではない方が、オフィス改装や移転プロジェクトを任されるケースは少なくありません。
そこで私から伝えたいことがあります。それは、外部への相談を「全部決まってから」にしなくていい、ということです。何から始めればいいのか分からない状態だからこそ、こちらとしては「分からない」と相談してほしい、と思っています。
何を作ればいいか分からない」から始まることも多い
実際、「何を作ればいいか分からないんです」という相談は珍しくありません。
ある企業でも、「社会を支える企業なのに認知されていない」という課題から、研究拠点を兼ねた新社屋プロジェクトが始まりました。
しかし、来訪者に何を感じてもらいたいのか、社内でもまだ整理できていない状態でした。
こうしたとき、多くの人はレイアウトやデザインから考え始めます。
それはもちろん大切な要素ですが、「誰に来てほしいのか? 何を感じてほしいのか? どんな会社として見られたいのか?」、といった考えの軸が曖昧なまま進むと、形だけが先行してしまいます。
そんなとき私は、ヒアリングを重ねながら、ヒントや選択肢をお伝えするようにしています。少しずつ考えの輪郭を整理していくうちに、「自分たちは何を伝えたいのか」が見えてくることが多いのです。
社内だけの検討では、立場の違いや言いづらさから話が止まってしまうことも多々ありますが、そんなときは、このような「外部と一緒に考えを整理する」という進め方もおすすめします。
外部の専門家だからこそ、しがらみにとらわれず話を整理できる場面もありますし、専門家の視点が入ることにより社内で話を進めやすくなることもあるからです。
実際、先ほどのプロジェクトでも、こうした対話を重ねながら少しずつ考えを整理していきました。
「任せる部分」が見えると、担当者は動きやすくなる
どんな役割を外部に任せるかを整理する。実はこれが、プロジェクトを前に進めるための肝であると私たちは考えています。
社内調整や意思決定は、担当者だからこそできる大切な役割。そして私たちができるのは、その考えを整理し、空間という形にしていくお手伝いです。
実際のプロジェクトでも、対話を重ねる中で、新社屋は単なる研究施設ではなく、来訪者と研究者をつなぐ場としての役割が見えてきました。
社会を支える企業としての技術や姿勢を、来訪者にどう伝えるのか。
その目的が明確になったことで、空間のあり方も少しずつ定まっていったのです。
担当者が一人で抱え込まず、それぞれの役割を持つことで、プロジェクトは前に進みやすくなります。
まずは、一緒に整理するところから始めてもいい
オフィス改装や移転の担当になると、多くの方は「自分がしっかりやらなければ」と、気が引き締まるかと思います。
でも、誰もが最初から正解を持っているわけではありません。
大切なのは、「何を変えたいのか」を整理すること。そして、その整理を一緒に進める相手を見つけることです。
もし、「何から始めればいいんだろう」と悩んだときは、一人で抱え込まず、誰かと整理しながら進める、「頼る」方法もあることを思い出していただけたらと思います。