空間創造によって
人々に「歓びと感動」を届ける

乃村工藝社

「効率化」の呪縛から逃れる仕事のつくり方

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デザインのマネジメントを行っております、藤田です。

今日は、どんな仕事にも付き物である「効率化」について、少し考えてみようと思います。

職場環境の改善を任されると、「効率化」という言葉が自然と出てきます。限られたスペースやコストの中で成果を求められる以上、無駄を減らすことが前提として語られやすいからです。

検討は、レイアウトや動線といった分かりやすい要素から始まることが多いでしょう。座席配置や動線はイメージしやすく、移動距離や時間短縮といった形で説明もしやすい領域です。
乃村工藝社にも、「効率を上げたい」というテーマでご相談をいただくことが少なくありません。ただ、その言葉の中身が曖昧なまま、検討が進んでいるケースに向き合うことも多くあります。

ですが、そもそも「効率化」とは何を指しているのでしょうか。

 

指標としての「効率」

ワークプレイスの議論では、働き方の効率を上げるという前提で語られることが一般的です。しかし、何をもって効率が上がったとするのかが明確に定義されていないまま使われていることも少なくありません。「とりあえず無駄を減らす」という理解にとどまっている場合も見受けられます。

一方で、経営層が見ているものは必ずしも同じではありません。

経営者が向き合っているのは、組織をどう変えるか、新しい価値をどう生み出すかといった経営課題です。求められているのは、これまでの延長線上にある改善ではなく、組織の生まれ変わりやイノベーションです。

それにもかかわらず、議論が「効率化」に引っ張られてしまうのはなぜでしょうか。

効率は分かりやすく、説明しやすい指標だからです。数値で示すことができ、合意も取りやすい。その結果、本来は手段であるはずの効率化が、いつの間にか目的のように扱われてしまいます。

 

「されるはず」の効率化

現場では、そのズレが具体的な形で現れます。

たとえば、「効率化のための設計」が前提となり、可動式の家具やレイアウト変更を想定した空間がつくられる。しかし、移動させやすいようにと作ったキャスター付きの家具が、実際はほとんど動かされなかったり、レイアウト変更が運用として定着しなかったりすることも少なくありません。

結果として、「効率化しているはずの状態」だけが残ります。使われない機能を前提とした空間が生まれ、本来の価値とは関係のない設計になってしまいます。

 

本当に実装すべき「効率化」とは?

ここで考えるべきなのは、効率そのものを否定することではありません。無駄を減らすという考え方自体は必要なものですが、それだけでは本来の目的には届きません。

本当に考えるべきは、「何を効率化するのか」です。動線や作業時間といった分かりやすい「効率」の指標だけでなく、価値を生み出すプロセス全体を捉える必要があります。


そして、新しい発想や連携が生まれ、イノベーションや価値創造といったパフォーマンスにつなげるための設計になることが、ワークプレイスの本当の効率化、と言えるのではないでしょうか。これは、私たちがワークプレイスに携わるとき、常に気にしている点でもあります。

もし、削減や短縮ばかりの「効率化」に縛られているなら、それはとても非効率かもしれません。本来は、効率化がどのような価値を生み出すのか、そのプロセスにも目を向けることが必要です。

ワークプレイスは、その価値創造を支える基盤です。

空間は、働き方や関係性に影響を与えるものです。設計のあり方によって、生まれるものも変わっていきます。

効率を高めることではなく、価値を生み出すこと。

その視点に立ったとき、ワークプレイスの役割もまた、違って見えてくるはずです。

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