TheMana Village（ザマナヴィレッジ）

本プロジェクトは、全国で宿泊事業や地方創生を手がける株式会社ARTHグループ（土佐清水リゾート合同会社）が、高知県足摺岬で長年親しまれてきた老舗旅館「足摺パシフィックホテル花椿」をアジア屈指の滞在型リゾート施設「TheMana Village（ザマナ ヴィレッジ）」として再生し、土佐清水市全体の活性化を目指すものです。

当施設は、足摺宇和海国立公園という自然豊かな地域に位置します。絶景を臨むものの、ホテルは昭和から時間が止まったかのような古い内装がそのまま残っている状態でした。当初、小さなカフェエリアを設置するという計画から始まりましたが、打ち合わせを重ねていくなかで、ホテルだけでなく高知全体や土佐清水市を盛り上げたいというARTH様のビジョンが広がりました。足摺の自然を体感できるラグジュアリーな空間の、イタリアンレストランを含む複合施設へと生まれ変わりました。

当社は、施設の魅力向上に向けた企画デザインの構想段階から参画し、ホテルの顔となるファサード・ロビー共用部・客室・レストランの空間プロデュースを担当しました。（客室・イタリアンレストランはデザイン監修）

2021年に担当した「LOQUAT 西伊豆」（古民家をオーベルジュに改装）をはじめ、当社はARTH様のクリエイティブ・パートナーとして、魅力ある街づくりや活性化につながる空間プロデュースを手掛けています。

昭和の老舗ホテルの改装をきっかけに足摺岬最大の魅力である「ありのままの大自然」を引き立たせる空間にしたい。
来館されるお客さまの滞在時間の満足度を高め、遠くてもまた来たくなる場所、紹介したくなる場所に昇華したい。
観光客を増やし、コロナ禍で失った町全体の活気を取り戻したい。

上記のご要望をいただきました。

当社は企画段階から協力し、設計計画、ホテルを運営しながらの段階的な工事計画と長期にわたる全体計画にチーム一丸となって取り組むことで、課題をひとつずつ解決していきました。

・イタリアンレストラン「Azzurrissimo」：使われなくなっていたプールを改修。まるで海に浮かんでいるかのような太平洋を一望できるテラスを設けたオーシャンビューに生まれ変わりました。足摺の山々や四万十川でとれる豊かな食材を本格的なイタリアンが提供され、ご宿泊以外のお客様でも利用が可能です。地域に新しい人の流れを生み出し、地域の活性化を図ります。

・スイートルーム「TheMana Room」：2部屋限定で海が臨める80㎡の広々とした客室に開放的なテラス、絶景の個室露天風呂、地元の食材を使った料理が可能なキッチンが付き、短期の滞在だけでなく中長期の滞在も可能になっています。

・Café & Bar：広々としたソファー席では、一面に広がる大海原とおいしいジェラートで長旅の疲れを癒しながらチェックインを行えます。絶景の海を眺めながらのワーケーションも可能です。

カフェエリア設置という小規模な計画から始まった当案件は、最終的にはホテル内にとどまらない「TheMana Village」構想という地域全体を巻き込んだ壮大な計画に拡大し、今もその進化を続けています。今後は近隣の空き家を改築し、一棟貸しとして宿泊可能なレジデンスヴィラもオープン予定で長期滞在が可能になります。当社もクリエイティブ・パートナーとしてARTH様とともに地域の空き家問題解決にも取り組んでいきます。

今回リニューアルした全てのエリアにおいて、実物の完成度はもちろんのこと写真映えが良く、自然にSNSで拡散されていくのを日々感じております。また、過疎化が深刻化している土佐清水市において、若い新卒入社希望者が70名もエントリーし、施設と「TheMana Village」構想の魅力で街の活性化に寄与していけると確信しております。