News

乃村⼯藝社が「未来館アクセシビリティラボ」に加⼊。複合現実(MR)技術を活⽤した視覚障がい者をサポートする新コンテンツを制作

ニュースリリース
2023.11.29
facebook
Twitter
新コンテンツ体験イメージ
新コンテンツ体験イメージ

株式会社乃村工藝社(以下、当社)は日本科学未来館(略称:未来館、館長:浅川智恵子)が推進するコンソーシアム型研究室「未来館アクセシビリティラボ」(以下、アクセシビリティラボ)に加入いたしました。アクセシビリティラボは、視覚障がい者の未来の生活を支える技術の研究開発を専門機関と共同で取り組んでいます。

アクセシビリティラボへの当社加入第一弾としての取り組みは、空間の特定の位置にひもづけて音声情報を再生する複合現実(MR:Mixed Reality)技術を活用し、視覚に障がいのある方の展示体験をサポートする新たなコンテンツ制作です。一般向けの実証実験を12月17日(日)に未来館で実施する予定です。

今回のコンテンツは、当社が株式会社GATARI(以下、GATARI)の技術協力のもとで制作する音響体験サービス「oto rea(オトリア)」を初めて視覚障がい者の展示体験サポートに活用します。
未来館が11月22日に公開した新常設展示「プラネタリー・クライシス」の一部を対象とし、利用者は自身の位置や動作に応じてメガネ型オーディオデバイスから流れてくる音声に従って移動します。展示解説や体験方法などを聞きながら、大きな折れ線グラフの展示を触り近年の世界の平均気温の上昇を実感したり、大きさや重さが異なる木製のボールを比較しながら国や地域別の二酸化炭素排出量の違いを体感したりしていきます。展示テーマに沿って音響演出も行われます。参加者にはアンケートに協力いただき、今後の開発に役立てます。本コンテンツを通して、視覚障がい者が自立して展示を観覧するとともに、より充実した展示体験を楽しむためのテクノロジーの可能性を試行し、今後のアクセシビリティ向上施策につなげることを目指します。

アクセシビリティラボへの加入は、未来館が有する視覚障がい者のアクセシビリティ研究開発の知見と当社のクリエイティビティを融合させ、誰もが豊かに過ごせる空間づくりを共に研究開発していく取り組みとなります。当社は、ソーシャルグッド活動の一環で社会的弱者に対する展示デザインにも取り組んでいます。今後は視覚障がい者の自立した展示体験実現に向けた取り組みを共同で進めていきます。

1.未来館アクセシビリティラボについて
 

未来館と専⾨の研究機関と共同で進めるコンソーシアム型研究室で、AIやロボット技術を応⽤して視覚障害がい者向けのアクセシビリティ技術を研究しています。未来館ではこれまで外部の研究プロジェクトが⼊居する研究エリアを併設するユニークな取り組みを⾏ってきましたが、未来館が直接運⽤する初めての研究室です。
視覚障害者を⾃動で安全に誘導する「AIスーツケース」のほか、3Dプリンターなどを活⽤して触覚から科学的な情報を得る模型などを企画・制作し、視覚障害者のミュージアム体験を豊かにする研究開発などを推進しています。
早稲⽥⼤学理⼯学術院とは、⼤規模⾔語モデルを⽤いたAIスーツケースによるより賢い、ユーザーや状況に応じた⾳声案内に向けた技術開発や共同実証に取り組む予定です。

 

https://www.miraikan.jst.go.jp/research/AccessibilityLab/
 

<参加機関>
⽇本IBM株式会社、早稲⽥⼤学理⼯学術院、株式会社乃村⼯藝社
(2023年11⽉29⽇時点)

AIスーツケース

AIスーツケース

2.今回の新コンテンツについて

■利用するMR(Mixed Reality)技術と回遊型音響体験サービス「oto rea」について
今回利用するMR技術はGATARIが開発した「Auris(オーリス)」というシステムで、VPS(Visual Positioning System)によって利用者が携帯するスマートフォンの画像から、その位置や向きなどを認識し、あらかじめ設定した音を再生することができます。音声情報はセンチメートル単位の精度で配置でき、単なる音声ガイドを超えた空間や体験の演出が可能なことが特徴です。「oto rea」は、この「Auris」をプラットフォームに、乃村工藝社が制作・演出を行う音響体験サービスです。
 

https://www.nomlog.nomurakougei.co.jp/article/detail/191/
 

■制作したコンテンツについて
地球環境をテーマとした新常設展示「プラネタリー・クライシス」のうち、ゾーン2「変わる地球の今に触れる」の一部をめぐります。大きな折れ線グラフを触り世界の平均気温の上昇を時間したり、大きさや重さが異なる木製ボールを比較しながら国や地域別の二酸化炭素排出量の違いを体感したりしながら、変化する地球の今と未来を理解していきます。最後には、地球環境に配慮した展示制作の工夫も紹介します。
コンテンツには波の音や車のエンジン音などの体験内容に合わせた効果音も含まれており、単なる展示解説を超えた音響演出が行われます。
 

ゾーン2の様子

ゾーン2の様子

  • TOP
  • ニュース
  • 乃村⼯藝社が「未来館アクセシビリティラボ」に加⼊。複合現実(MR)技術を活⽤した視覚障がい者をサポートする新コンテンツを制作
PAGE TOP
Contactお問い合わせ

お問い合わせ/お見積もり依頼/資料請求は下記よりお気軽にご連絡ください。
お問い合わせの多いご質問や、よくいただくご質問は別途「よくあるご質問」ページに掲載しておりますので、
ご活用ください。