高山本線開通記念日満産業大博覧会
満州国の独立によって日満両国の緊密な関係が結ばれ、両国産業貿易の新興と親善が急務となった。富山県は満州と連係する要衝の地であることと、高山本線が全通したのを機に満蒙貿易にとりくみ、あわせて電力、工業の誘致、同時に観光の紹介をするという計画で開催した。会場は3区域になっていて、正面入口を入った区域には、日満記念館、観光館、電氣館と富山館をはじめ各府県館があり、満州館、朝鮮館、台湾館などの殖民地国からの参加出展があった。道路を隔てたその奧の地域には、場内で一番大きい建物である本館と演芸館が建つ。陸橋を渡った地域にはもう一つの富山館と国防館がつくられた。また、会場の東北端の敷地に、外国余興場である万国街がつくられ、超人的怪力美人ドイツのアーシ嬢が自動車の下敷きになるのを見せたり、筋骨逞しい外人男子が、百尺の梯子上より下の火を噴くタンクに飛び込む妙技を見せたり、演芸館では四季の富山踊りが長唄、常磐津などで踊ったり、軍国色の濃い会場に娯楽色を交えて、地方博としては規模・内容ともに充実した博覧会であった。博覧会は躍進富山を内外に示し、日満貿易に大きく寄与し、予期以上の大盛況であった。
資料の閲覧・貸し出しを受け付けています。(事前予約制/平日のみ)
貸し出し依頼は、博物館等の公共機関のみに限ってお受けしています。
閲覧・貸し出しをご希望の場合は事前に以下まで連絡をお願いします。
株式会社乃村工藝社 情報資料室
TEL 06-6649-3331 FAX 06-6649-3335
<資料閲覧場所>
大阪市浪速区難波中2丁目10番70号 パークスタワー19階
株式会社乃村工藝社 大阪事業所
公開している資料の年代は明治から平成に至る広範なものです。博覧会の主催団体の解散もあり著作権の確認が行えないものが大多数です。著作権の所有に関してご一報いただければ幸いです。