支那事変博覧会
国民の知っておかねばならない聖戦のすべてを一堂に展開して、忠勇な将士の武勲を讃えるとともに、護国の花と散った英霊への感謝を新しくし、長期間の備える堅忍不抜の覚悟を強くする意図で、陸軍省、海軍省、文部省、商工省、呉鎮守府、第五師団の後援をうけて開催された。非常時日本の心臓、呉軍港にふさわしい事業として、約10万平方メートルを会場にぎっしりと盛り上げられた。戦利品館には敵軍が使用した戦車、装甲自動車、飛行機、重軽機銃、迫撃砲などを展示。海陸軍兵器館には皇軍の近代化学兵器を網羅し、殊に今事変に使った殊勲の新兵器を並べた。航空館には荒鷲軍の投下した爆弾の実物や、カタバルトによる出発と帰着を動的にし、華々しい空軍の美談を表したパノラマを見せた。軍事記念館には忠勇義烈な皇軍将士の貴重な遺品や記念品を展示して、国民精神を喚起させ、国防強化に尽くすように構成をした。実践パノラマ館は、海陸共同による最新の戦闘法、陸軍大部隊を表した一場面約40坪のパノラマと、南京城攻略をする場面を80坪を動的で、実践さながらに作った大パノラマで構成した。ここは大人にも子供にも大人気であった。国産軍需工業館は、軍と深い関係をもつ国産軍事工業界の現状を展示。満州北支館は、満鉄経営に満州北支の現況を示す特設館で、ほか、館外施設として、すべてを野外の地形を利用して、動的パノラマの戦場場面を演出した。実物の衣装をつけた等身大の人形が、人馬それぞれが動力で動く、銃砲撃の擬音が絶え間なく響くという仕掛けであった。また、この博覧会は当時初の試みとして、他の博覧会より破格の入場料で、しかも午前8時開場、閉場午後10時という新企画を打ち出した。
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