観光高松大博覧会
復興博覧会とは名乗っていないが、昭和21年の南海大地震の被害を受けてから4年、市制60年記念を迎え、地震から立ち直った姿を見せる産業振興の博覧会であった。第1会場は中央グランドのスペースをそのまま残し、その周囲に各パビリオンが建ち並べられた。正門横道路に面して新聞館があり、その裏手になる場内に貿易館がつくられた。場内に入った右に、迎賓館と国産館が相対して建てられた。国産館は平和の女神のほほえむ噴水塔のある半円形の建物で、各府県の優良特産品を陳列した。続いて高松市の獅子頭、張り子ダルマ、松笠細工などの玩具や丸亀の団扇などを、館内34小間いっぱいに展示した郷土館。理想的に電化された農村のあり方を示す大パノラマで目を奪う農業館。鯛、鰯網などによるパノラマが、内海の魚のすなどり状況を一望に収める水産館。パンパンガールの実態を公開し、性教育の普及を図る展示の衛生館。専売局の最新式機械で製造直売する煙草実演場。全国の一流メーカー出品による数10種の機械で実演する機械館。一目で分かる電氣の一生をパノラマで見せる電氣館や、逓信館、演芸館がぐるりと、取り巻くようになび、子供の国は高さ6メートルの青、赤、極彩色の竜宮城を中心に、各種の遊戯器具が備えられた。観光道路を隔てた場外に、アメリカ文化館が建てられ、その隣りでサーカスが興行された。第2会場には、畜産館と小鳥館がならび、中央に讃岐美術と現在の美術界全般を紹介する美術館がつくられ、会期終了後は讃岐文化の殿堂として美術館となる科学館は、テレビジョンが人気であった。高松市を中心に瀬戸内海国立公園の海陸交通の盛況をパノラマとジオラマで見せ、高野山の出開帳も行なった観光館も大賑わいであった。乃村工藝社実績「観光館」「アメリカ館」(社歴&社史「70万時間の旅3」)より
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