尼崎市防潮堤完成記念 栄える産業博覧会(尼崎博)
管理コード:729
開催日程:1954年04月12日(昭和29年)~1954年05月19日(昭和29年)
開催地:兵庫県
会場:尼崎センタープール一帯、甲子園阪神パーク
主催:兵庫県・尼崎市・朝日新聞社
入場者:0人
尼崎市は昭和25年のジェーン台風による高潮で、市域は大きな被害を受け、翌26年防潮堤建設に着工、工費33億円と3年余をかけて完成した東洋一の防潮潮堤と、これと併行してアシに覆われ荒れるにませていた湿地帯に、モーターボート競争場も完成したのを記念して開いた博覧会で、それに朝日新聞社が創刊75周年になるので共催として参加した。会場は、第1会場は尼崎センタープール一帯と、甲子園阪神パークであった。第1会場のセンタープールと東会場、西会場あわせて約19.2ヘクタール。競艇場と隣接する東会場には、兵庫県館のほかサーカス場と児童遊園がつくられた。兵庫県館には県内各地の物産、観光、県勢などを展示した。西会場には防潮堤の開門を模した建物の尼崎館があり、館内には尼崎市の全貌、生産、文化などを分かり易くして見せた。産業本館では重工業、軽工業、化学工業、窯業、交通、繊維、精密機器、鉱業、電氣、文化・観光、生活科学など網羅した。そのほか自動車館、衛生・水道館、久保田館、野外劇場などの施設がつくられた。娯楽や遊戯施設として1.500人収容の演芸館では毎日新しい映画やクイズなどを展開、野外劇場の大ステージではショーやパレードに音楽会、子供の学芸会、素人芸自慢などが毎日開かれた。また、66.116平方メートルの児童遊園には飛行搭がそびえ、世界最新の大コースターやお伽列車、ワンダーホイルなどが揃えられていた。第2会場の阪神パークでは、子供向きの施設が数多く設けられ、お菓子の科学館、牛乳牧場、スポーツ館、スポーツランドや演芸ホールもつくられ、動物園ではチンパンジーの曲芸・珍芸と、アシカの離れ業の動物サーカスも開かれた。尼崎の名物といえば「ランプあめ」と「かまぼこ」が古くから知られていたが、博覧会を機に尼崎とゆかりの深い近松門左衛門の遺徳に因んで「近松せんべい」と「近松あめ」「近松もなか」が新登場する一方、防潮堤完成記念の「防潮せんべい」も発売された。入場者は42万人で、収支は908万円の赤字となったが、これは当時の経済不況と、尼崎での労働争議などの影響であって、博覧会は尼崎市を広く紹介することが出来たのである、乃村工藝社実績「産業館」ほか(社歴&社史「70万時間の旅3」より)
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