海事水産博覧会
管理コード:1302
開催日程:1916年03月20日(大正5年)~1916年05月25日(大正5年)
開催地:東京都
会場:上野公園(不忍池畔 商品陳列館)
主催:帝国海事協会・大日本水産会
入場者:0人
[帝国海事協会、大日本水産会両会の主催にかかる海事水産博覧会は、来る二十日より上野公園に於て開設せられんとす。水産に関する博覧会は、既に去る明治十六年第一回を東京に、同三十年第二回を神戸に於て開催し、爾来数次各府県に於て、其共進会の開設を見たれども、未だ曾て広く海事に関する比種の施設の企画せられたることなく、実に今次の海事水産博覧会を以て嚆矢となすなり。(東京日日新聞 1916.3.18・大正5)] 海の開発についての一般的な知識を拓く、海事思想の喚起を促すことが急務として開催。会場構成はその名の通り海事と水産の2つからなっていて、海軍、海運、船舶および材料、機械、船舶嘱具、漁業、水産製造および船用飲料品、養殖、海上救助、海洋気象など19部に分けて展示解説された。会場へ入って本館に至るまでの広場にはボート館があり、模型のモーターボート試走池もつくられた。また水産出品として、金魚の種類ごとに幾つもの水槽がならべられ、その横に約20メートルもある、白骨のナガスクジラが展示され観客を驚かせた。本館内部は東館と西館に分かれ、その中央部にも展示スペースが設けられた。そこに海軍商船比較と輸入貨物の展示があり、動く模型と統計で分かり易く見せたほか、造船の工程順序やパナマ運河の大模型、水難救助や潜航軍艦攻撃艇のパノラマもつくられた。別館では拓殖部として、新領土となった台湾、朝鮮、南洋諸島、関東州、樺太がそれぞれの物品を展示した.また海底館は会場内呼び物ののひとつで、2階建てにつくられ、絵画、模型、光線、動力を組み合わして立体的に構成された。浅海では魚ともに海女のアワビ取りやサンゴ取りなどの実況を見せ、深海では植物に似た動物の、俗にいう乙姫の花傘や海柳が揺れ、光りを出すハダカイワシやホタルイカなどが模型でつくられ、巨大な沈没船も横たわる薄暗い世界を現出させた。1階はブリの大網敷で、漁労の有様から打瀬網とトロール汽船の漁業を見せ、それに発動機船によるカツオ漁業の様子をパノラマ式に展開した。
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