大阪計量博覧会
「文化の基調たる近代科学の発達、産業の興隆、教育の普及、人類が生活の幸福を増進すべき、すべての事象は何れかその根底たる計量知識の養成を離れて庶幾し得るものぞ、先哲ピタゴラス既に三角形の二辺の和は他の一辺よりも長く、直線は如何なる場合にも曲線、折線より近捷なるを説く、これ実に万古不磨の公理にして、世に文化といい進歩といい改善というも等しく曲線、折線の無駄を去りて直線の捷径を辿ることに外ならず。彼の山を越え谷に沿いて迂回せる古代の交通は山を拓き谷に架して漸く直線に軌するに至り、ここに交通の進歩改善は顕出せられたり。」以上は開催要旨の一部であるが、前年の4月11日、メートル法公布に伴って、度量衡の重要性を増進するために開催したもので、計量博覧会というのは日本で初の試みであった。場内には家庭館、教育館、メートル館、社会館、産業館が建てられた。展示内容は図解やグラフによるパネルが主であった。また、余興館や奏楽堂と余興の舞台がつくられ、曲芸や奇術も演じられたが、安木節、鴨緑江節、新内、都々逸などの節回しで、計量博覧会の替え歌にして歌い拍手を浴びた。
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