御大典奉祝名古屋博覧会
名古屋は東京、大阪に次ぐ都市であるが、博覧会に関してはこれまで開催は少なく、明治43年の第10回関西府県連合共進会が博覧会規模の型式で開かれている程度で、これが名古屋で博覧会と正式に謳った本格的な最初のものであった。鶴舞公園の東部、約82.650平方メートルを会場とし、北部を公園として一般に利用させた。各館の配置は本館と特設館の区別せず見れるよう分散した。本館は建坪約998平方メートルでドイツの表現派の建築様式とし、機械館と電氣館は本館を挟むように建てられた。ほか大礼館、歴史館、農林館、教育館、衛生館、家畜館などが建ち並び、殖民地からは朝鮮館が朝鮮総督府によって建てられ、満蒙館や北海道館もつくられた。遠くから参加した朝鮮館と北海道館は、歴史館や教育館とともに夜間開場をした。国防館は軍艦を模した建物で海軍部は20メートルのマストを持つ形のデザインで、軍艦旗を掲揚した。陸軍部は砲弾の形の建物で、その両側に砲弾を配置し、当時の軍事色を表わしていた。また、日光館や小鳥館もあり、子供の国や野外劇場もつくられ、名古屋放送局のラジオ館は、幻灯機を据え付けラジオ川柳マンガなどを写し、放送用の擬音機を陳列して、奇想天外の種明かしをしたパビリオンもつくられた。この奉祝記念の博覧会は、非常な盛況で会期も7日間延長し、1.940.600人の入場者をみて大好評のうちに終了した。
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