満州大博覧会(満洲大博覧会)
大連市は大正14年、市制10周年記念として「大連勧業博覧会」を開き、満州の発展に大きく寄与したが、昭和9年は市制20年に当たるの1年早めて、その記念事業としてこの博覧会を開いた。大連市は満蒙の門戸で大陸進展には欠かせない位置にあるのみならず、物資集散においても、文化推移の過程においても、日、満、支、露に関連するところであるので、大連市は新興満州国の前途を祝福し、日満経済の提携を容易に促進すべく、日満の生産物を一堂に展示し、産業貿易に資さんとして開催された。いわば殖民地博である。会場は白雲山下市内の広漠とした埋立地約160万平方メートルを使って、正面に満州国旗をつけた高搭でもある建国館が建ち、館内に薄儀執政天皇夫妻の写真を掲げ、四方の壁面に執政府の全景、松花江上流の森林地帯の風景、満州情緒の娘々祭の光景などと、満州の工芸品や流筏の模型などを展示した。正面入口左に第1本館、第2本館、福岡館、八幡館、広島館、静岡館の順に並び、右に第5本館、第4本館、朝鮮館、満鉄館と何れもが特異な姿を見せる。その東西を画して、場内第一の巨館である第3本館が建つ。西には東京館、奈良館、京都館、名古屋館、大阪商船館、オリエンタル館、宮崎館と大小の特設館が並ぶ。その右に大阪館、住友館、三井館、兵庫館、台湾館、朝鮮紡績館、熊本館、北海道館、三菱館と、各県と企業が入り交じって建ち、そのなかに約20メートルの電飾高搭が立てられ、さながら大都会の目抜き通りの観を呈した。ほかでは国防館が満州事変と上海事変に使われた機関銃や手榴弾などの兵器、軍器が整然と展示され、説明役に現役将校が当った。また、娯楽空間として「楽天地」も設けられ、お伽の国、海底旅行館、お化け屋敷、海女館などが人気を呼んだ。乃村工藝社実績「子供の国」(社歴より)
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